8 行商人とソブアラトトの村
今日は、行商人の所に取引に行くということで、朝からアポンの家の前に集合だ。
6人は、ボアの毛皮5、ボアの牙9、乾燥させた魔力草、回復草、ブルンべの実、ナガーイモン3、これらを手分けして背負った。
村まで歩いて30分くらい、行商人は、村の入り口あたりにテントを張っていた。
「買取りを頼む」
「わかりやした、ハイ」
行商人は、査定を始めた。
「それでは、ハイ、ええと、ボアの毛皮ですがハイ、この大きいのは5000銀、これは、4000銀、あとの3つは3000銀ですハイ。
魔力草と回復草は合わせて600銀。
ブルンべの実がこんだけで100銀ナガーイモンは3本でこの長さだと……
えと1600銀ハイ、全部でハイ。えと………18000の……2300で……
ハイ……20300銀です、ハイ。いかがでしょう?ハイ」
「そこのナイフ3本と、シーオ1袋買っていくから勉強してくれ」
「ハイ、ナイフが1つ3000銀、シーオ1袋500銀で………9500銀です。差し引き………えと、ハイ。
勉強して11000銀のお返しでいかがでしょう。ハイ」
「ううん………それでいい」
「えと、それでは金貨1の銅貨1でいかがでしょう。
それとも銅貨11、銀貨混ぜた方がいいですか?ハイ?」
「そうだな、銅貨10銀貨10で頼む。」
「ハイ、銅貨10銀貨10ハイ、どうぞ、ハイ。よろしければ、他の商品も見ていって下さい。ハイ」
アギンは、金を受け取ると並べてある商品に目をやった。
「おじさん、これ見てくれる?」俺はボアの石を差し出した。
「売れる?」
「ハイ、ええと、ハイ………これはただの石………ハイ、売れそうな石ではないです。ハイ」
「そうなの〜………やっぱりね」予想通りである。
俺も売っているものを眺め出した。
金貨1は銅貨10銀貨100、銀貨1は100銀ということらしい。
銀貨が一番安いのか。
「袋買い足しとくか」「そうだな」
「ハイ、大きさ、形、いろいろ揃えてます。ハイ。
これは10個100銀、これは、3個100銀です。
この大きいのは1個200銀です、ハイ」
「これで1000銀にしてくれ」大小混ぜて値段交渉。
「ハイ………わかりました。勉強させていただきます。ハイ」
銅貨1枚で支払い。
大きな袋に残りの袋全部入れて、一つにまとめる。
「アポン、これ持って。」とわたした。
「矢尻はあるか?買って行くか?」
「ハイ、矢も矢尻も揃っております」
「この矢尻20個、もらおう」
「200銀ですハイ。こちらの矢は、まっすぐ飛んで良く当たります。
20本なら400銀です、検討してください。ハイ」
400銀は銀貨4枚だ。
「どうする、確かに作ったのよりまっすぐ飛びそうだな」
「試してみよう」
「確かにまっすぐな矢の方が、まっすぐ飛びそうだな」
「矢尻をやめてコッチにするよ」3人はこの矢が気に入ったようだ。
「矢のクセ覚えるの時間がかかるんだよな」
「鳥に当てるとなるとマトが遠くて小さいからな、
まっすぐ飛んでくれるとありがたいよな」
「どんなもんだかつかってみんとわからんけどな」
「まっすぐ飛びます。きっと満足してもらえます。はい。
矢尻が鉄製ですので、骨製より勢いがついて遠くに飛ぶし刺さります。ハイ。
羽根もカラフルで回収時に見つけやすいと思います。ハイ」
「この人の作る矢はとても評判がいいです、隠れた名工です、ハイ」
3人のオヤジは、笑顔で向き合った。
いいのが買えたかもな……と顔に書いてあった。
買い物を終えた一向を、行商人は手もみしながら見送った。
「ごひいきにお願いします。はい」
テントを出たオヤジたちは、「さ、ようは済んだし早く帰って狩と行こうか」と矢の調子を確かめたい様子。
俺は初めてきたソブアラトト村を見たかったので、そちらをみる。
村の向こう側が見えるが、本当に民家があるだけで、店、宿屋などない様子。
少し家が集まっているだけで、町とは呼べない。確かに村。
それもやっと村と呼んでいいかもという感じ。
見るものはないなと黙って大人たちについて帰りだした。
そのうち村人全員と知り合いになれそうなんじゃないか?
何かしたら村人全員に知れ渡るんじゃないか?などと考えながら。
家には昼前に戻れたので、大人は弓持っていそいそ狩に出かけた。
子供は自由ということで狩りの見学をすることにした。
新しい矢は大当たりで、ヒュンと飛んではズバッと当たった。
古い矢をいると軌道が曲がる曲がる、良くこれで当てあていたなと逆に感心した。
放たれた矢と獲物の回収は子供が走って取りに行く係。
確かに新しい矢は見つけやすかった。
矢が良いとこんなに早く食い扶持達成するんだなあと大人たちも満足だ。
「こういう矢を作らんとダメだったんだな」
「まっすぐな材料選びに選ぶべきだったんだな、なかなかないんだな」
「今後の健闘に期待するよ」
「名人にはかなわんよ」大人たちの口も軽い。
上機嫌というところ。「十分取れたしたらふく食おうぜ」
今日は満足の1日となった。
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