7 ナガーイモン掘り

ソブアラトトの村に行商人が来ているという話が聞こえて来た。


今日もボウズの3人が、明日は毛皮や牙その他を売りに村に行こうと話ている。


「今日は、アペンとアポンは、明日の荷を作ってくれ、俺とアググは弓持って狩、アゴンとアグルは、散策な。

明日狩行けないからなるたけ食いだめしたい、ねばってかってくるからそのつもりでな」三組に分かれて行動開始。


「アゴン……おばあちゃん迎えにいくよ」


「おう」ばあちゃんとこに行き明日村に行くと伝えると、「じゃあ、アゴンもいるしナガーイモンを掘らないかえ?」という。


アポンのところでナガーイモンを掘る道具を持って山林の方に行く。


ナガーイモンの蔓のところにくると、メアリ婆が言った。

「ここナガーイモン傷つけないように周りを掘るんだよ。アゴンから始めな」


「うい」

黙々と穴を掘るアゴン。


「ふー」


汗を拭くアゴンを見てメアリ婆が指示を出す。

「アグル、交代しな!」


「うん」と俺は返事をする。


深く深くナガーイモンを傷つけないように周りの土を掘り出す。


「折るんじゃないよ、気おつけな!」お婆けっこう厳しいな。


1メートルは堀進み「フー」と息を吐く。


「まだまだ長いよ、頑張りな」


「うん」


「ここからここから。」


「ア!なんかポキといったような!」


「ん!」


「キレたった」


「ひっぱりな」


「その先も掘るんだよ」


「ハーイ」


その先も堀進み先が細くなった。


「ここまでだね」


根の先まで取れたのでここはお終い。


「折れたものはしかたない。次は折らないようにね。ちゃっちゃと埋めて、次いくよ!」婆ちゃんは、次のポイントの方に歩き出した。


一本掘るのもけっこう疲れる。


こんな調子で全部で5本、2本折ってしまったが、3本は折らずに完全体。

婆は5カ所もチェック入れてたんだ、知らんかった。


「3本は明日売って来な。これ高級品だから行商人喜ぶと思うよ。

けっこう良い値で売れるだろうよ」


「えー、俺2本も折ってしまったよ」


「良いんだよお、どうしても全部折らずに取ることなんて出来やしないんだ」


婆ちゃん優しい!


「下手くそ」とアゴン。くそ〜次はおらん。


「さ、家に帰るまで折らないようにね気おつけな。アゴン持って、アグル、おんぶじゃ」


俺はいつものように帰りはお婆ちゃんを背負って帰路につく。


アポンの家に着くと「これも明日売ってきておくれ」とアペンおじさんにお婆が言った。


「こりゃ、良いもんとって来たね、さすがおばあちゃんだ」とアペンおじさん。婆を背負った俺を見て続ける。

「アグルも、ご苦労さん。アグルもだいぶ鍛えられたか、今日は?」


そう言えばなんか強くなったような気がする。


解析ステータス………HPが11になっていた。


今までの経験でHPが1上がっている?レベルは……2のままだ。

レベルが上がらなくてもHPは増えるんだ……と思う。

どういうシステムなんだろう。訳わからんが増えることは良いことだ。

体が成長したり、訓練して筋力をつけたりするとHPが上がる。

なるほど。増えたHPについて解析されたようだった。



狩組の二人が戻ってきた。


「今日は鳥な」


鳥食うとこ少ないんだよな〜と思うキルだった。

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