第5話 冒険 5

冒険 5


マジョリを倒した一行は、宿屋で休息をとった。


マジェリは物憂げな様子で、空気を睨んでいた。

最初はパーティのメンバーの事が、こんなに好きになると思わなかった。

兄マジョリの事を何とかしなければと、それだけが最優先事項だった。


「さぁ、これからどうする?」テリウスの声で我に返る。

「取り敢えず目前の目標ってか、目的を決めないと・・・ねっキサラ。」


「そうなの?」何でって顔でテリウスを見た。


「あっ・・・あの、私は兄を見つけるまでって話だったので・・・

 取り敢えず、お世話になりました。」


「この後何か予定でもあるの?」ジェミーが不思議そうに聞いた。


「そう言う訳ではありませんが・・・

 私、自分の目的の為に皆さんを騙していたし、これからも一緒って訳には・・・」


「はーい、はーいリーダー!」チコリが元気よく手を上げた。


「はい、あわてん坊君どうぞ!」キサラはチコリを指を指して言った。


「俺、旅はマジェリと一緒が良いです。」


「ん~、良い意見だな。採用!!」


「えっ!!でも・・・」マジェリが不安な顔をすると


「『でも』は良くないな。却下!!」


「やった~!決定。リーダーが言う事は絶対だよ、マジェリ。」


「本当に一緒に行っても良いの?」


「マジェリ・・・何の心配をしているの?皆、マジェリと一緒に居たいんだよ。馬鹿だな。」


「マジェリ、馬鹿って言われた~!」チコリはスキップをしている。


「うるさいよ。」


「俺も、マジェリが居た方が旅が面白いと思う。」ジェミーが言った。


「良かったな、あわてん坊。」チコリの髪の毛をわしゃわしゃしながら

キサラはハグをした。


あひゃひゃひゃ・・・チコリは嬉しそうに笑った。


「キサラへのタッチはご遠慮下さい。」テリウスはキサラを引き離した。


「じゃあ、マジェリへのタッチは?」


「許す!!」


「やった~!!」チコリはマジェリに抱きついた。


「私が優しいのは今日だけですよ。」


   ***


宿屋を後にし、一行はぶらりと旅に出た。


「次は何を探そうかな~。」鼻歌を唄いながらキサラが言った。


「キサラ、メイド服とかどうかな?似合うと思うんだけど。」下心ダダ漏れで言った。


ジェミーは、??思った。旅の話じゃなくてコスプレの話?


「テリー、オイラテリーのメイドが見たいゾ。」


「畏まりました。ご主人様。」テリーが着替えて言った。


(メイド服持ってるんか~い。)ジェミーは心の中で、ツッコミを入れた。


「おぉ、可愛い。テリーの事が好きになった。」


「有り難う御座います。ご主人様。ご主人様も似合うと思いますよ。」

テリーはメイド服を差し出した。


キサラはメイド服に着替えて言った。

「どうですか?ご主人様。」


・・・扇情的!!!・・・4人は揃って、親指を立てた。


「結構遊んだよね。そろそろ旅にでる?サクッと魔王でも、倒しに行く?」

ジェミーが何とか旅を立て直そうと言ってみた。


「それは、嫌だ!まだ死にたくない。」キサラが俯いてそう言った。


俺らのレベルじゃ、魔王はまだ早いか・・・早く強くなってキサラの役に立ちたい。

「俺、頑張って早く強くなるよ。」


「ジェミーは充分、強くてカッコ良いよ。」

「じゃあ、ぶらり旅再開!!」


「はーい!はーい!リーダー。」


「はい、あわてん坊君どうぞ。」


「隣の村で、祭りがあるそうです。お腹もすきました。」


「祭りか・・・いいな。じゃあ、皆浴衣に着替えて。」


チコリ・・・場を盛り上げてくれてるんだ。私が気にしない様に。マジェリはチコリに感謝した。


5人は浴衣に着替えて祭りを楽しんだ。



キサラのレベルが上がった

祭り・・・15up


旅は続く・・・只今のレベル90



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