第4話 冒険 4

冒険 4


「皆・・・遅いな。」ジェミーは旅支度を整えて、メンバーを待っていた。


「捕獲~!!捕獲~!!豹男、捕獲~。」チコリがジェミーに襲いかかった。


「チコリ耳を探して。」キサラが後ろから叫んだ。


「リーダー、耳はありません。」チコリがキサラに報告をした。


「俺だよ!!せっかくせめた衣装だったのに・・・」豹男は豹柄を着たジェミーだった。

「チッ、いいよ。着替えて来るから、ちょっと待ってて。」舌打ちをしながらジェミーは着替えに行った。


「テリー、ちょっと良いですか?」マジェリがテリウスを小声で呼ぶ。


「ん?どうした、マジェリ・・・」


「村人の噂レベルなんですけど・・・東の方の神殿に悪魔が出るそうです。」

「っで、その悪魔を倒すと猫耳を貰えるとか、貰えないとか・・・」


「キサラ!東の神殿の悪魔を倒せば、猫耳を貰えるって。」テリウスはこの情報を自分の手柄にした。


自信満々の顔をしたテリウスを無視して

「マジェリ、その猫耳って可愛い?」


こっそりとテリウスに話したのに、何でバレているんだろう?と素朴な疑問を持ちつつ

「あっはい!多分ですけど。」と答えた。


「テリー・・・オイラ、猫耳欲しい~。」

キサラは猫耳にキュンキュンしている。


他の4人は、そのキサラを見てキュンキュンしている。


「じゃぁ行きますか~。」いつの間にか着替えを済ませて、ジェミーが会話に参加した。


「マジェリ、ありがとう。」キサラはマジェリにすりすりしている。


「手に入れてから喜んで下さい。」と言いながらマジェリもかなりデレている。



旅の一行は、東の神殿に向かって出発!!


林を抜け・・・草むらを掻き分け・・・川を下り・・・

チコリの大活躍により、旅は順調に進んだ。

3日後の夕刻には神殿近くまで来ており、明日の戦いに備えて今夜は野営で休息を摂ることにした。


「いよいよ明日だな。やっとマジェリに良いとこ見せられるよ。」

チコリはマジェリに指の関節をを鳴らしながらアピールをした。


旅の道中一番の活躍をしたチコリなのに、自覚が無いのか・・・



「良いところって、馬鹿力ですか?」

マジェリはチコリに感謝をしつつも、毒を吐く事は止めない。


「馬鹿って言うなよ~。」チコリはマジェリの毒舌なんか、気にしてない様だ。


「はいはい。頼りにしてますよ。チコリ。」マジェリはチコリに微笑んだ。


チコリの顔が赤くなって見えたのは、キャンプファイヤーのせいだろうか?


「俺もキサラに、良いとこ見せるよ。」


「さすがストイック!!」キサラとジェミーも良い具合にじゃれている。


テリウスは明日の準備を(キサラのと2人分)しながら、生活指導の先生の様に言った。

「はいっそこ!離れなさい。」


「明日は神殿だ・・・。」マジェリの声に力が入った。


夜は更けてゆく。各々の思うところは有りながらも、眠りについた。


   ***


翌朝、天気良好。体力回復。


「皆、乗り込むぞ~!!」キサラの声で、一斉に突撃をした。



「悪魔を、見つけたぞ~!」


「???あれっ???」


「???顔が???」


「???マジェリ???」


「???どっちが???」


パーティの全員が混乱した。


其処にはマジェリと同じ顔をした悪魔が、見下ろしていた。

悪魔が呟く・・・

「マジェリ・・・」


「兄さん・・・兄さんは、とっくに死んだんだよ。」

「兄さんに取憑いた悪魔は、私が倒す。マジョリ、覚悟してくれ。」


マジョリはマジェリの双子の兄だった。


「いいだろう、マジェリ・・・かかってこい。」

そう言ったマジョリは、角が生え牙も剥き出しにして咆哮した。


キサラは踊った・・・全員のテンションがMAXになった。

テリウスは呪文を唱えた・・・全員の攻撃力が倍加した。

チコリの攻撃・・・会心の一撃

ジェミーの攻撃・・・連続攻撃、会心の一撃

マジェリは呪文を唱えた・・・業火の炎が悪魔を焼き尽くす。


   悪魔マジョリを倒した。


「兄さん・・・」


「これで俺の魂は解放される・・・マジェリ、有り難う。」


「兄さん・・・ごめん。」マジェリはハラハラと涙を落として、座り込んだ。


「皆さん。泣き虫の弟を、よろしく頼みます・・・」悪魔は霧になって消えた。


膝を付いたマジェリの頭をチコリが抱く。

チコリは一緒に泣きながら、マジェリを離さなかった。


一同が言葉も出ないままの状況でジェミーがやっと口を開いた。

「何か良く分かんないけど、マジェリ元気だして。」


「マジェリ、良く頑張ったな。」テリウスも今だけは声が優しい。


「私・・・皆の事を騙して、此処に連れてきた。」マジェリがやっと声を出すと


「マジェリ、1人で苦しまないで。」マジェリを抱きしめたままでチコリが言った。

「皆が・・・俺が、ずっと側に居るから。」


「馬鹿でも居ないよりはマシか(笑)」チコリの言葉に救われたマジェリが少し笑った。


「やっとマジェリの毒がでたか。」テリウスも少し安心した様だ。


「キサラ、はいこれ。」マジェリがキサラに差し出した。


「あっ猫耳じゃん。」キサラが初めて口を開く。


「キサラ、ごめんね。騙してて・・・」


「何言っているんだ?オイラはマジェリが大好きだし、猫耳は可愛いし。」

と言いながら、猫耳を付けた。



キサラのレベルが上がった。


悪魔マジョリの討伐・・・15up


旅は続く・・・只今のレベル75

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