急募・ツヨツヨ伯爵令嬢に勝てる狩人
【鍛錬場】急募・ツヨツヨ伯爵令嬢に勝てる狩人(1)
早速、狩人の案内でライバルの伯爵令嬢に会いに行く。今の時間帯は、お城の敷地内にある兵士たちの鍛錬場にいるんだって。
なんでそんなところにいるんだろう? 兵士が一番いそうな場所に避難したほうが安全だからかな。
……その考えを改めることになるとは、予想もしなかった。
◆
今、わたしと狩人は鍛錬場の周囲にある茂みに身を潜めている。鍛錬場は規模こそ小さいけれど学校のグラウンドに似ていて、端に運動部の部室みたいに小さな建物がいくつか建っている。
中心は広場で、その真ん中に目当ての伯爵令嬢がいるけれど……
「狩人さ~ん、あれが伯爵令嬢~? 普通は悪女に殺されるヒロインって、もっと儚げなキャラクターじゃないの?」
「そうだよ~儚げだろ? 見ろよあのカカシったら真っ二つだ。散り際が儚いねェ」
「狩人さ~ん、悪役令嬢に命じられた狩人が、伯爵令嬢を殺しに行くんだよね~?」
「そうだよ~、本当にひでえ話だよなあ、ええ?」
「……なんで殺されるはずの伯爵令嬢が、刀を振り回してんの?」
わたしたちの視線の先に伯爵令嬢がいる。おめめがくりくりしていて、ふんわりとした赤毛が愛らしい。桃色のドレスもキュートで、正真正銘物語のヒロインって感じ。
それなのに、髪もドレスも振り乱しながら、目にも止まらぬ早業でいくつものカカシや藁の束をすっぱすっぱと切り刻んでいくのは何事!? なんで、西洋のお城で日本刀を振り回しているの!?
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