わたしは2人目の悪役令嬢!?

【狩人の部屋】わたしは2人目の悪役令嬢!?(1)

「ふんふふ~ん♪」


今は着替え終わってわたしだけ。部屋を出て城内を散策中なの。


思わず鼻歌交じりにスキップしてしまうのは、ドレスがとっても可愛いから。白と黒のストライプのリボンがメインにあしらわれて、お花や宝石がちりばめられている。今までの人生で着たどんな服よりもオシャレでロマンティックだ。


「こんなに豪華な衣装を着れちゃうなら、悪役令嬢も悪くないかな~」


着替えさせてくれた使用人たちが付いて来ようとしたけれど、1人で探検したいからと断った。平民の生まれ育ちゆえ付き人がいる生活に慣れていないのだ、許せ。


使用人たちはみんな気さくで、その中のけだるげな女性が言うには、


「なんか私たちもよく知らないんだけどねー、あっいけない、知らないんでございますデスけどねえ、このお城は王様もお妃様も死んじゃって、王子様だけが残されたみたいだよ……デス」


とのこと。どうも口調があやしくて言い慣れていなかったけど、このお城に勤めたばかりなのかな?


周囲を観察すると、周りの人たちもなんだかおかしい。


貴族風のお爺さんは使用人に対して「やあどうもどうも、すみませんがこれをお願いできませんかねえ」なんて腰が低いし、話しかけられた使用人のお兄さんは「オッケー! よくわかんねえけどオレがやっとくっす」とラフな物言いだ。


ほかにも、見回りをしている兵士が「これ本物の剣なんだよなあ、怖いよ」なんて弱気だし、使用人のおばさんが「ルンバなんて贅沢言わないから掃除機はないかしらねえ」とほうきがけをしている。

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