1日目

【自室】目が覚めるとそこはお城だった

【自室】目が覚めるとそこはお城だった(1)

――なんでこんなに、ふかふかしているんだろう?


次にわたしが目覚めた場所は、ベッドの上だった。自宅のベッドだと思ったから「あ、目が覚めたんだ」と一瞬考えたけれど、すぐに違う場所だと気づく。


なぜならば、目をあけて真っ先に目に入ったのは、ちらかしっぱなしの部屋じゃなくて、豪華な天蓋だったんだもの。外国が舞台の映画や絵本で、お姫様が眠る天井とカーテンがついた豪華なベッドが出てくるけれど、まさにあれが目に入ったってわけ。


さっきまで星空が広がっていたのに! 驚いて身を起こすと、部屋の様子がよく見える。我が家のリビングよりも広いこの部屋は寝室らしくて、赤い絨毯が敷いてあるの。そして、扉の向こうにも部屋があるみたい。


「うーん高級そうな部屋。次はどこに来たの?」


夢の中で何度も目が覚めるのを繰り返すという、変わった夢を見ているのかな? 念のために、きょろきょろあたりを見回すけれど、もうニャルはいなくて室内はわたし1人だ。


とりあえずベッドから降りようとして気がつく。着ていたはずの青いパジャマが真っ白なロングワンピースになっている。確かネグリジェって言うんだっけ? それになんだか……


「背が伸びてる?」


立ち上がってみると、いつもより視線が高い。ベッドの横に負けず劣らず立派な化粧台があって、大きな鏡がついているものだから慌ててのぞき込む。


「誰これっ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る