第32話 ロレーヌの相談事2

【ロレーヌの相談事2】


「ロレーヌはレベル5、5階は突破していないんだよな」


「じゃあ、すぐに5階ボスをやっつけに行こう。そうすれば、次は5階から出発できる」


「そしたらさ、9階までいってあそこでレベリングしようよ。すぐにレベル10ぐらいにはなるわよ」


「え、マノンちゃん、今レベルいくつなの?」


「14。お兄ちゃんも一緒だよ」


「ええ、いつの間に」


「父ちゃん、母ちゃんの指導のおかげさ。ロレーヌもすぐにレベル上げられるよ。ロレーヌは素のステータスがかなり高いからレベル以上になるはず」


「5階までは、ジョエルちゃんとマノンちゃん3人で行けるでしょ?6階からは私達もついていくわ」


 で、とりあえず5階までダッシュで行って、

 5階ボスをワンパンで倒して戻ってきた。



「はあはあ、あなたたち、体力が凄いわね。ずっと走りっぱなしだなんて」


「ああ、ダンジョン内ではレベルがものをいうからな」


「しかも、5階ボスをワンパンって凄すぎ」


「ロレーヌもすぐにワンパンだよ」


「そうだよ、ロレーヌお姉ちゃん」


「でも、ありがとう。また明日来てもいいかしら」


「てか、来なくちゃ駄目よ。明日はお父さん、お母さんも行くから5人でピクニック♪」


「マノン、スキップしてら。ピクニックじゃないぞ」


「お父さんとお兄ちゃんね、すっごいお弁当作るの上手なんだから」


「え、私作ろうと思ったんだけど」


「ロレーヌお姉ちゃんに警告しておきます。二人はプロレベル以上です。お金のとれる料理作ってくるから」


「あら。いつのまにジョエルも料理が上手くなったの?」


「父ちゃんの見て練習した」


「アレクさんの料理が上手なことは知ってたけど。じゃあ、遠慮なく食べる方に周るわね」


「全然。うちは男が料理担当なんだから!」


 ◇


「まず、6階だ。ここからは森林地帯が始まる」


「ああ、森林の香り」


「そうなのよ、4階とか5階ってニオイが酷くてたまんなかったわ」


「ねー。ここもゴブリン系の魔物が出るんだけど、風通しがいいからほぼ森の香りよね」


 俺たちは、現れる敵を速攻でなぎ倒し、7階へ。

 そして7階もまっすぐ8階へ下る階段へと至った。


「お姉ちゃん、ここはシャドーって行って、幽霊のできそこないが出るの」


「シャドー?」


「でも、問題ないわ。現れたと思ったら、私のターンアンデッドかお姉ちゃんの神聖魔法シャインで瞬間滅殺よ」


 で、ここはロレーヌの魔法でシャドーを倒していく。

 白い霧ではっきりと見えないし、

 探索スキルに引っかかってきたら、魔法をその方面にぶつけるだけだ。


「ここは随分と楽ね」


「聖魔法と神聖魔法持ちにとってはね」


「それ以外には対処のしようがないから、ひたすら逃げるか、回復薬をぶつけるだけだぞ」


「9階になると、私の火魔法も参加できるんだけどね」


「母ちゃんの火魔法は迫力あるぞ。父ちゃんなんか、いっつも髪の毛焦げ焦げだかんな」


「まあ、そんなの時々しかないわ」


「オレもギルマスのジャックみたいに坊主にしようかと思ってるくらいさ」


「まあ、アレクさんたら」


 父ちゃんは頭に結界を張ってるから、焦げることなんて無いんだけどね。


「おお、9階に上がる階段が見えてきた」


 ◇


「ここが9階のモンスターハウス?」


「そうよ。扉あけると広い部屋にゾンビがうじゃうじゃ」


「それにすっごいニオイ」


「だから、扉を開けたら私がセイクリッドバニッシュ。お姉ちゃんがバニッシュメント」


「同じ系統の技ね」


「多分、お姉ちゃんのほうが上位互換ね。範囲も広そう」


「じゃあ、扉を開けるよ」


「いいわよ」


「バタン」

「セイクリッドバニッシュ!」

「バニッシュメント!」

「バタン」


「見えた?」


「あー、見てない。でもすっごいニオイね」


「そうなのよ。お姉ちゃん、あと1回で終わるかもね」


「じゃあ、次ね」


「バタン」

「セイクリッドバニッシュ!」

「バニッシュメント!」

「バタン」


「どうかな?」


 父ちゃんが中を覗く。

 宝箱は開いたままだ。

 あの一回限りのようだ。


「ありがとう、今のでレベルが10になったわ」


「じゃあさ、10階行って、ボスやっつけて討伐証もらっておこうか」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る