いろいろレベルアップ

第27話 魔素フィールドスキル、レベルアップする

【魔素フィールドスキル、レベルアップする】5月


 俺たちは週末になると相変わらず家族でレベリングをしていた。

 で、11階でレベリングしていて、レベルが13になったときだ。


「あれ?魔素フィールドスキルにレベル2って文字がついている!」


「そのスキル、レベルアップするんだ。で?」


「えーと、なになに。わ、スキルのオンオフができるようになったぞ!」


「ほー、懸案の一つが一気に解決したな」


「うん。ちょっとオンオフしてみるわ……ふむ、オンにすると身体強化スキルレベルが2つ増加するな」


「ほお。すると、通常の身体強化よりも約6割増しになるってことか?」


「てことかな」


「凄いわ。ジョエルちゃんの強さはレベル以上だと思っていたけど、現状でレベル20以上の強さがあるんじゃない?」


「オレもそう思う」


「ああ、お兄ちゃんと私レベルが同じぐらいだから比較しやすいんだけど、お兄ちゃんって私よりすっごい強く見えるんだよね。基礎ステータスもかなり違うし、魔素フィールドの効果もあるわけね」


 ◇


「私もレベル13になったわ!新しいスキルが発現したんだけど」


「なに?」


「セイクリッドバニッシュだって」


「ああ、それターンアンデッドの範囲攻撃のようなものね。ほら、私のお友達が8階とかで一気にフロアの不浄系を消滅させるって話、したでしょ?」


「うん」


「レベルがあがると、できるわよ」


「おー!私、ちょっと9階で試してみたい!」


「ありゃ?ゴースト系は苦手なんじゃなかったか?」


「苦手意識ふっとんじゃった!」


「よし、しばらくマノンにつきあうか」


「レッツゴー!」


 ◇


「マノン、結構広範囲に効果があるな」


「今のところでは20m四方ってところかしら。お母さんのお友達ってレベルどれぐらいだったの?」


「40ぐらいだったわ」


「ガーン。まだまだ先ねー」


「でも、現状でもすっごい役立つと思うけど」


「オレたちは楽ちんだぞ」


「マノンがパワーレベリングのリーダーできるな」


「そう?えへへ」


「どう、疲れない?」


「意外と消費魔力が少ないのね」


「マノンちゃんの魔力が強めのせいもあるわよ」


「だな。マノンは敏捷性の次に魔力だな。得意なのは」


「あれ?ちょっと大きめの建物がたってるよ」


「ちょっとした体育館なみだな」


「まさか、またマミーが出てくるんか?」


「なんだか、ちょっとおっかないわね」


「マミーんときは凄い本をゲットしたろ」


「ハイリスクハイリターンだったな」


「ハイリスクってほどじゃないだろ」


「まあ、魔法数発だったからな」


「よし、行ってみるか」



「じゃあ、おまえら後ろで待機な」


「「「ラジャー」」」


「扉、開けるぞ」


 ギギギー


「チラッ」「バタン」


「父ちゃん、どうした」


「変なものでもいたの?なんだか臭いんだけど」


「ここ、モンスターハウスだ」


 モンスターハウスとは、

 モンスターが大量に配置された部屋のことだ。


「ゾンビの」


「えー」


「まあ、気持ち悪いわね。これ、ゾンビの臭いなのね」


「母ちゃんとマノンにまかすか」


「「えー」」


「せーの、で扉あけて範囲魔法ぶっ放せばいいじゃん」


「それもそうね」


「私的には経験値稼げるからいいんだけど、この階だとそろそろレベルの上限が近づいてきてるのよ」


「なにか宝物が出てくるかも」


「宝物♪」


「じゃあ、マノンちゃん、やってみる」


「私、目つぶって息止めて魔法撃つから」


「私もよ。パッと撃ってすぐ扉閉めるわよ」


「わかった。お母さん扉頼むね」


「オッケー、行くわよ」


「バタン」

「セイクリッドバニッシュ!」

「インフェルノ!」

「バタン」


「うわっ、ちょっと扉開けただけでも腐臭が漂ってくるぞ」


「次行くわよ?」


「ウッシャー!」


「バタン」

「セイクリッドバニッシュ!」

「インフェルノ!」

「バタン」


「見た感じだと、一発目で半分近くやっつけてたみたい」


「じゃあ、次が最後かも?」


「じゃあ、討ち漏らした残り掃討するわよ」


「カモン!」


「バタン」

「セイクリッドバニッシュ!」

「インフェルノ!」

「バタン」


「今ので多分全部やっつけたわ」


「私、レベル14になった!」


「俺も。見てただけなのにラッキー」


「レベリングにはむいてるわね」


「術者を特定するけどな。マノンとクリスさまさまだな」


「ああ、父ちゃんとか俺系統だとかなり疲れそうな場所だぞ」


「まあ、中に入ってみるか?」


「私、ムリ。すっごい臭い」


「お父さん、お願い」


「仕方ないな。オレたち何もしてないから。ジョエル、行くぞ」


「えー、俺もかよ」



 オレたちはタオルで鼻とかを覆いつつ、

 中に入ってみた。


「ダダ広い部屋だが」


「あれ、本当に宝箱あった」


「へえ、このダンジョンって滅多に宝箱なんて出てこないが」


「父ちゃん、開けてみるぞ……おお、古代書か?」


「この階層、古代書大好きだな」


「すっごい、分厚いね。アグリカルチャ、農業系統の本みたいだ」


「ふーん、地味っぽいな」


「前みたいに解読してみるよ。多分、今度は早いよ」


「おお、まかせた」


 古代書がこうも俺のところに集まってくるのは、

 やっぱり神様の指図なんだろうな。


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