3.張さん
アイヤー!
あいつら、またサボってるヨ!
何時間、たむろする気カ!
……ワタシの放った「
何が起きたか分からなくて、キョロキョロしてるヨ。いい気味アル。
それはそうと、あの二人、人間じゃないネ。最初から気づいていたヨ。
ディアンからは陽の氣が、ドルガからは陰の氣が極まっているのを感じたネ。
白い
いくら陰が強くなっても陰の中に陽があり、後に陽に転じる。
いくら陽が強くなっても陽の中に陰があり、後に陰に転じる。
参照はWikipediaネ。
ざっくり言うと、「
この思想、もれなく人間も当てはまるネ。
つまり、片方の氣しか持たないあいつらは人間じゃない。ワタシは西洋における「天使」と「悪魔」じゃないかと睨んでいるヨ。
天使と悪魔がなんでコンビニで働いているかって? そんなことワタシが知るわけないヨ! っていうか、働いてすらもいないヨ! 腹立たしいアル! もう一発、
……どうしてワタシが自在に「氣」を操れるか知りたいカ?
それは2000年くらい修行したからヨ。
ワタシ、こう見えて仙人やってるネ。
「氣」を放つ以外にも空を飛んだり、分身したりできるネ。
カウンターを見る、よろし。分身したワタシが店番してるの、見えるカ? あれが仙術というやつネ。すごいって? 全然すごくないアル。
本当にすごいのは、現代社会だとワタシは思うネ。
殺し合いがあまりない、すごい時代になったと思うヨ。
ワタシが修行に明け暮れていた頃は、世界中で食糧の奪い合いが起こっていたヨ。
色々な人が「これ、よこせ!」とか「あれ、守れ!」とか言って殺し合っていた。善と悪、白と黒が分離していて、混ざり合う隙もなかったネ。どちらが白で、どちらが黒かも分からなかったから、ワタシは山に引きこもったアル。
久々に下山してびっくり!
ダイバーシティー的なアレで、白黒はっきりつけようとすると、逆に怒られそうな世の中ネ。だから、ディアンもドルガも仲良くして欲しいと思うヨ。
そして、あいつらがサボった分、ワタシにもサボらせて欲しいアル。
アイヤー!
カウンターにいるワタシが怒鳴られているヨ!
機嫌の悪いホストは最悪ネ。2000年くらい修行する、よろし!
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