第16話

「演習場所?」


「ああ。兵士なんだから演習するだろ?」


「そうだけど、それは今回の事件と関係してるの?」


「してる。」


「なんとなくの場所しかわからないけどいい?」


「いい。」


俺は、兵士達の演習場を聞き、近くに目印の何か目印がないか聞いた。

演習場の近くに大きい岩があるらしい。


「そこに行くぞ。」


「そんな、簡単に決めていいの?」


「可能性の高そうなところから行くだけだ。それ以外にないだろ。だから、お前らはこの道を歩いてたんだろうが。」


「それは、そうだけど、、、。まあ、いいか。行ってみよう!!」


ーーーーーーーーーー

そこまで到達するのに2日かかった。


「リンファ、人に匂いはあるか?」


「ワン。」


「そうか、当たりだな。」


「ジンはウルフの言葉がわかるの?」


「近づくな、臭いだろ。」


「酷いよ。幼馴染に向かって。」


「関係ない。臭いものは臭い。」


「それで、なんで、ウルフの言葉がわかるの?」


「なんとなくだ。リンファ以外の魔物は何を話しているかわからないが。リンファの言葉ならわかるんだ。」


「へぇー。不思議ー。」


「それより、人がいるらしい。俺は脱獄囚の顔が分からんし、見てきてくれ。」


「いいよ。どっちみち殺すし、5人で行くよ。」


「分かった。気をつけろよ。」


「うん。」


騎士5人が先行して、俺たちはそれについていく。

人の集団がいた。数十人ぐらいの。


「どうだ?首謀者はいそうか?」


「うん。あのでかいハゲが首謀者だと思うよ。すごいね、こんなすぐに居場所を突き止めちゃうなんて。」


「運が良かったな。」


「夜に襲撃するから、今のところは様子見しようか。」


「分かった。」


「それにしても、なんで分かったの?」


「俺が脱獄囚だったら、別れた後、どこで集まるか指定しとくだろ。」


「うん。」


「街や村では集まれない。だから、外である必要がある。」


「うん、うん。」


「兵士たちが全員知っていて、目立つものがあり、近くに川があるこの場所がいいだろと思ったんだよ。」


「さすがジン。犯罪者の気持ちがよく分かってるね。」


「まあな。冒険者のほとんどは犯罪者だからな。」


ーーーーーーーーーー

夜に脱獄囚と思われる集団を襲った。襲うのは騎士5人に任せて、

俺たちは逃げた奴を殺して回った。

騎士5人の戦いぶりは凄まじかった。上級職か特別職なのだろう。


「53人か。」


「結構多かったね〜。」


「銀貨53枚だから、大体金貨5枚も払えるのか?」


「無理。みんなの所持金合わせて銀貨25枚ぐらいしかない。」


「じゃあ、銀貨20枚でいい。」


「いいの?」


「元から、こんな貰えるの思ってなかったしな。」


「ジン、ありがと〜!!」


ハグされた。臭い。こいつは体洗ってるのか?


「アリス、お前体洗ってるか?」


「騎士は野生動物に気づかれないように臭い服を着てるだけだよ。」


「本当か?」


「うん。」


「じゃあ、いいが。」


「それじゃあ、私たちはこのまま森を突っ切って、領主館にいくから。ここでお別れだね。」


「ああ。気をつけてな。」


「ジンもまたね〜!!」


ーーーーーーーーーー


「嵐のような人でしたね。」


「ああいう奴なんだ。大した戦利品はなかったが、レベルは上がったし、銀貨20枚は稼げたし結果よかっただろ?」


「はい。それにしても死体は放置してよろしかったんでしょうか?」


「まあ、欲しい奴の首だけでよかったんだろ。他に大したもん持ってなさっそうだし。港町に行くか。」


「はい。楽しみです。」


それから1週間かけて、港町に着いた。

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職業『下級剣士』の村人A @ininininin

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