第8話

リンゴ名産の村で、リンゴ酒とリンゴを買おうとしたのだが、買えなかった。

すでに、誰に売るか決まっているらしいのだ。


「売り物にならないやつでもいんだ。」


種をもらった。りんごの種だ。


「ワン。」


「慌てるな。こう言うこともある。次の村に行こう。」


「ワン。」


「だな。盗賊になった方が稼げそうだな。」


「ワン。」


「確かに、リンファが襲ったら魔物に襲われたことになるから、盗賊じゃないか。」


次のブドウの名産地の村に行くまでに一つ街がある。その街にはなんとダンジョンがあるんだ。


ーーーーーーーーーー


「ボォー。」


「草なんで食って美味しいのか?」


走り竜はことあるごとに草を食ってる。果物もバリバリ食う。

まあ、肉も食うんだが。


「ワン。」


「そうだな。そろそろ調理された肉も食いたいな。野宿では限界がある。」


村での料理より、街での料理の方が美味しい。


「ワン。」


「猪の肉か。ここら辺にいるって言ってたな。猪を見つけるまでここにいるか?」


「ワン!」


急ぐ旅でもないし、別にいいだろう。長く、そこにいいないと分からないこともあるだろうしな。


それから、3日間猪を探した。


「思ったんだけど、ボーって魔物だよな。」


ボーは走り竜のことだ。ボーっと鳴くからボー。


「ワン。」


「じゃあ、魔石を食ったら早くなるんじゃない?」


リンファいわく、魔石を食べていくとレベルみたいなものが上がるらしい。


「ワン。」


「独り占めするなよ。ボーにも食べさせてあげよう。」


「ワン。」


「分かった。じゃあ、俺が狩った魔物の魔石はボーに食べさせる。リンファは自分の分は自分で狩るんだ。これならいいだろ。」


「ワン。」


それから、ボーに魔石を食わせていくと少しだけ火を吐けるようになった。

便利なやつだ。

いちいち、火をつけなくても良くなった。


「次は水を出せるようになってほしいな。」


「ボォー。」


「それは流石に無理かもな。」


ーーーーーーーーーー


「臭っ!!」


「ワン!」


「いや、リンファの方が臭い。」


「ワン。」


「川を探すか、このままじゃあ、村にも街にも入れてもらえないぞ。見窄らしい。」


本格的に、ボーに水を出してほしい。ここ、1週間雨が降らなかったせいで体臭がすごい。リンファの。自分もすごいらしいが、自分の臭さは自分では分からない。


川を探して森を彷徨っていると、


「ワン。」


「血の匂い?ほっとけよ。」


「ワン、ワン。」


「人の血の匂いか、、、。近いのか?」


「ワン。」


「分かった、行ってみるよ。」


リンファについていくと、竜車があり、その荷台に一人の少女が縛られている。


「人はいないようだな。どうする?」


「ワン。」


「そうだな。みるからに盗賊が乗ってそうな竜車だし、金目のものを盗んで、ついでに少女を助けるか。」


リンファに見張りをさせて、

俺は超特急で、少女と金目の物を竜車から盗んで、トンズラした。


ーーーーーー


「よし、儲かった。早く街に行って売ろ。」


「ワン。」


「そうだった。川で体を洗わないとな。」


「ワン。」


「それは、こいつが目を覚ましてからでいいだろ。」


距離も離れたし、川探しを再開した。


「ワン。」


「本当か!それは良かった。早速行くか。」


リンファが水の音を聞いたらしい。

その音に近づいてくと、滝があった。


「滝か。まあ、別にいいか。」


服を脱いで、ボーを洗いながら、俺の体と服を洗っていたら、

悲鳴が聞こえた。


「変態!変態!!!」


「おっ、起きたのか。どうだ具合は。」


「変態〜〜〜!!!」


「服が乾くまで、ちょっと待ってくれ。」


少女は錯乱を繰り返して、落ち着いたのは服が乾く頃だった。


「それで、あなたが私を助けたと。」


「そうだ。」


「あ、ありがとうございます。」


「別にいい。ついでだったし。冒険者っぽいし。」


「冒険者なんですか?」


「冒険者だ。それで、あんたはなんで捕まってたんだ?」


「それは言えません。」


「エルフだからか?」


「言えません!!」


「それはもう、言ってるようなもんだけどな。街で見たエルフより耳が長いし。」


「なっ!?」


「まあ、それはいいとして、どこに帰せばいい?」


「帰してくれるので?」


「あんた10歳くらいだろ。流石に子供を置いてけないだろ。」


「9歳です。」


「大体、一緒だろ。それで、一人で生きていけるのか?」


9歳のエルフが旅の仲間に加わった。

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