第5話
逃げた盗賊はリンファが匂いで追う。
追っていると、途中でリンファが止まった。
「どうした?」
「ワン。」
「この先にいるのか?」
「ワン」
「分かった。」
盗賊がいた。死体だ。おそらく仲間割れをしたのだろう。
リーダーが仲間を斬り殺したから、絶対に仲間割れはあると思ったが。
カキン!キン!!
戦闘音が聞こえる。
近づいて見てみると、10近くの盗賊の死体の上で、残りの盗賊はリーダーと戦っている。
盗賊のリーダーは見るからに満身創痍だ。だから、盗賊達は逃げないのだろう。
「8人か。経験値ももらえるし。殺すか。」
俺は弓矢で盗賊のリーダーを殺した後。
盗賊達にも弓矢で射殺す。持ってきた弓矢15本打ち終わった後に、剣を持って盗賊達の前に立つ。
相手をかなり削ったが人数的に不利だ。だから、動けるやつだけ、俺とリンファで殺してまともに動けない奴は失血死で殺した。
「よし。レベルが上がってる。」
職業 下級剣士
レベル 31
スキル 剣術3 弓術1 身体強化4
レベルが上がると全体的に能力が強化される。下級剣士から中級剣士にだってなれるかもしれない。まぁ、それは個人の才能によるけど。
「でも、一番のお目当ては武器とお金なんだよな。」
盗賊達から奪ったお金と武器を土の中に埋める。後で、取りにこよう。
ーーーーーーーーーー
洞窟に戻って、盗賊達が盗んだものを物色した。大したものはなかった。
村に帰ると、村長から歓待を受けた。
お金ももらったし。ご馳走も食った。生まれて初めてお酒も飲んだし、女も抱いた。
翌日、俺は村を出発した。
街を目指して早く冒険者登録したいな。
走り竜もいただいた。大盤振る舞いだ。
「リンファ。匂い覚えてるな?」
「ワン。」
盗賊達から奪った金品と武器を埋めた場所に行き、走り竜。
短期間で大金持ちになってしまった。
「これで、これからは柔らかい場所で寝れるな。」
布団も積んだし。
「ワン。」
「お前は地面の上で寝ればいいだろ。俺は硬い地面で寝ると体が痛いんだ。」
「ワン、ワン。」
「ペース自体は遅くならないだろ。むしろ早くなると思うぞ。」
「ワン?」
「本当だよ。走り竜は荷物が多い時は、早くなるんだよ。」
「ワン。」
「それは、実際にやって覚えるよ。なんでも実践あるのみだ。」
ーーーーーーーーーー
それから、いくつかの村を経由して街にたどり着いた。
「ちょっと待て。」
門番に止められた。
「なんだ?」
「いや、そこのフォレストウルフも街に入れるのか?」
「ああ。問題があるのか?」
「一応、見分けがつくように印が必要なんだ。」
「印?」
「ああ。体のどこかに黄色の布を巻く。それをしないと街には入れられない。」
「分かった。どこで買える?」
「ああ。案内するよ。」
ついでにこの街をいくつか案内してもらった、
まずは宿探しだ。野宿でもいいが、街に来たんだから宿に泊まりたい。
「高い。走り竜も止めれる宿になるとあんなに高くなるのか。」
銀貨一枚、一晩での相場だ。
銀貨一枚あれば15日は過ごせる。それなのに、高い。
走り竜を持っているのはお金持ちだけなんだろうか。分不相応なものをもらってしまった。
かといって、売るのももたいないので、野宿することにした。
街の周りには宿代をケチって野宿する奴が多いので、珍しくはないが。
「いや、待てよ。走り竜をここに置いたら盗まれるんじゃないか?」
盗まれる。絶対に盗まれる。
色々迷った末、大人しく宿に泊まることにした。
気づけば日も暮れており、宿で食事をとって、リンファと寝た。
「せっかく、ベッドがあるんだし、ベドで寝ろよ。」
「ワン。」
「お前は本当に硬いところで寝るのが好きだな。」
その日はあまり、眠れなかった待ちに待った冒険者ギルドに行くんだから。
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