国語
担任の優奈先生は、国語の先生。
そやから、3年生の、クラスの卒業文集には、わたしは小説らしきものを書いた。
タイトルは
「わが輩は筆入れである」
っていうもの。
わたしは、中1の時は、愛媛県松山市に住んでいた。
そやから、「わが輩は猫である」をヒントにして書いた。
あ、別に「わが輩は猫である」は、松山市とは関係ないと思うけども。
松山市と関係あるのは「坊っちゃん」のほう。
中1の時の、松山の中学校の担任の女の先生は、いつも
「~ぞな」
っていう松山弁を使っている先生で、先生の話す松山弁から、松山愛を感じていた。
今、わたしの使っている筆入れは、3年生になってから、新しく買って、使ってるものやから、その毎日学校で使っている筆入れのしゃべる話を通して、わたしの今の大阪での中学生活についてを語ろうって思った。
読んでくれたクラスのみんなも
「面白い」
って言ってくれた。
優奈先生も、はっきりとは言ってないけど、わたしの書いた小説に、なんとなく嬉しそうな感じだ。
ある友達は、タイトルを間違って
「わが猫は筆入れである」
って、わたしに言ってきた。
それを聞いた瞬間に、わたしは
「あ、そっちのタイトルめっちゃええやんっ!そっちにしよ!」
って言って、タイトルを
「わが猫は筆入れである」
に変えた。
なんとなく「わが猫は筆入れである」だと、前の「わが輩は筆入れである」っていうよりも、より哲学的なような感じした。
中学生の好きそうな、ちょっとひねった感じというか。
小説「わが猫は筆入れである」の最後に
「本書のための書きおろし」
って書いておいた。
国語の教科書に、よく書いてあるように。
☆
そして、卒業。
わたしは、私立も府立も、どちらも高校、合格していて、府立に進学することに決まっていた。
だから、優奈先生に
「いろいろお世話になりました」
みたいな感じで言ったら
「ええから!ええから!」
みたいな感じで言われた。
「中学は、ひとつの通過点で、これから高校生活も始まるんやから、これからも、しっかりね!」
って感じで、思ってくれてるみたいやった。
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