国語

担任の優奈先生は、国語の先生。

そやから、3年生の、クラスの卒業文集には、わたしは小説らしきものを書いた。


タイトルは

「わが輩は筆入れである」

っていうもの。


わたしは、中1の時は、愛媛県松山市に住んでいた。

そやから、「わが輩は猫である」をヒントにして書いた。


あ、別に「わが輩は猫である」は、松山市とは関係ないと思うけども。

松山市と関係あるのは「坊っちゃん」のほう。


中1の時の、松山の中学校の担任の女の先生は、いつも

「~ぞな」

っていう松山弁を使っている先生で、先生の話す松山弁から、松山愛を感じていた。


今、わたしの使っている筆入れは、3年生になってから、新しく買って、使ってるものやから、その毎日学校で使っている筆入れのしゃべる話を通して、わたしの今の大阪での中学生活についてを語ろうって思った。


読んでくれたクラスのみんなも

「面白い」

って言ってくれた。


優奈先生も、はっきりとは言ってないけど、わたしの書いた小説に、なんとなく嬉しそうな感じだ。


ある友達は、タイトルを間違って

「わが猫は筆入れである」

って、わたしに言ってきた。


それを聞いた瞬間に、わたしは

「あ、そっちのタイトルめっちゃええやんっ!そっちにしよ!」

って言って、タイトルを

「わが猫は筆入れである」

に変えた。


なんとなく「わが猫は筆入れである」だと、前の「わが輩は筆入れである」っていうよりも、より哲学的なような感じした。

中学生の好きそうな、ちょっとひねった感じというか。


小説「わが猫は筆入れである」の最後に

「本書のための書きおろし」

って書いておいた。

国語の教科書に、よく書いてあるように。



そして、卒業。

わたしは、私立も府立も、どちらも高校、合格していて、府立に進学することに決まっていた。

だから、優奈先生に

「いろいろお世話になりました」

みたいな感じで言ったら

「ええから!ええから!」

みたいな感じで言われた。


「中学は、ひとつの通過点で、これから高校生活も始まるんやから、これからも、しっかりね!」

って感じで、思ってくれてるみたいやった。

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