第2話 宝くじさえ当たれば…

お金より愛

お金より時間

 

そんなこと言えるのはお金があるから。

お金で苦労してないから。


私はお金がほしい。


お金がないことで、

子どものときからたくさん我慢してきました。


お金がなかったけど、幸せでした。

なんてコメントを聞くと、

マジか?って疑いたくなる。


あればあるだけ税金やらなんやらで大変よ、

なんて

ニコニコしながら話すお金持ちもいるけど、

お金のない大変さを知らないからそんなこと言えるんだ、

と呆れてしまう。





私はずっと小さい借家で育ち、

友だちが遊びに来るのも顔をしかめるようなボロ家でした。

遊びに来たいと言ってくれるから呼んではみたけど、二度と誰もきてくれなかった。

母はいろいろおやつだジュースだって気を遣ってくれたけど、

お向かいの大きな家のようにはいつも人が集まらなかった。

あのうち、小さくて。

そんな陰口も聞いたことがありました。


小学校の先生は、

家は見た目ではない、中身がきちんとしているかどうかです。なんて訪問前に話してくれたけど


今思うと、

みじめだなって思うのです。

だって、汚いって言われているようなものでしょ?


その時は、

先生の話した言葉を信じて、

キレイに片付けたら恥ずかしくないんだな、なんて素直に思ってたかわいい子どもでしたけど、


大人になった今は、

優しい言葉をかけるな、と言いたい。



そんなこともあってか、

結婚後に

大人になって私も家を建てました。

小さい頃味わった思いがあって、

子どもたちには同じ思いをさせたくなかったし、

私も這い上がって普通の暮らしがしたかった。



でも、

親に言われた一言が今でもトラウマ。


(私は家を建てられなかったのに、子どもが建てるなんてとっても悔しい)


ツラい一言でした。



宝くじさえ当たれば

母にも家を買ってあげられるけど…



宝くじを買うことができない。


どうせ当たらないし。


夢も買えない、つまらないオバハンなのです。

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