拡大する開拓村

第22話 やっぱりアノ扉が来たけど……⁉︎

 昨夜のバーベキューパーティーは、大盛況!


 お肉は塩胡椒がしっかり効いていて、柔らかかったし、海の箱庭の素材も沢山あったからね!貝の醤油焼き美味しかったなぁ。


 畑の箱庭の野菜は甘いし、フォレストホース達やバルもバリバリ食べていたんだよ。ケットシーのミケは魚があって嬉しそうに食べていたし、グリフォンのイーグやフォン、ミノタウロスのタロスは、お肉凄い量を食べてたなぁ。


 大人の男性達の方は、ファストさんの話に大興奮!その後は、みんなファストさんと一緒に真剣に酒作りの話をしていたんだ。うちの男性陣みんなお酒好きだからね。


 そうそう!パーティやっている間にチームゲートホンが届いてね!


 《クレイ!お久しぶりです、キドです!ようやく準備が出来ましたよ。村の布や調味料もあっという間に完売しましたし、明後日には家族を連れて村に戻ります!》


 商人のキドさんから連絡あったんだよ。それをみんなに伝えたらね……


 「よっしゃ、明日からはキドの商店作りだな!」

 「ダウロ待て。キドにも希望があるだろうし、来てからにした方がいいと思うぞ」

 「それもそうか……。なら、みんなの店の希望を聞くか」


 ダウロさんが早速動き出そうとするのを、ペギーさんが止めたんだけどね。「店」って単語が出た途端ダウロさんに、店を出したいみんなが殺到してね。ちょっと大変そうだったよ。


 因みに予定しているお店はね……


 ファストさんは薬局、マーサさんとミーナさんの服屋兼寝具店、お母さんとルアラさんの八百屋。


 エナさん達自警団の奥様達はバッグや靴屋、ペギーさんと奥様のプラムさんは家具屋、ダウロさんと奥様のスージーさんは魔導具屋。


 ロン兄ゾラ兄さんで武器・防具屋、キダル兄さんとタロスで燻製屋、エイミ姉さんとミケで乳製品と卵を扱うお店だって。


 ほぼ村の人総出でお店やるんだよ!


 因みにキドさんの商店で扱うのは、調味料雑貨関連。お店は奥さん担当で、キドさんはほぼ出張に出るんだって。


 ガーデニング4人娘はまだみんな小さいから、村からの依頼で仕事をするみたい。4人共張り切っていたなぁ。


 残りのみんなは自警団として動いたり、みんなのフォローに回ったりするんだ。僕もフォロー役だよ。


 なんか計画建てるのって楽しいよね!


 この日はみんな自分のお店をどうするかで、話題が尽きなかったんだ。そんな中、村の相談役のブラムさんは、ニコニコしながらみんなの様子をみていたんだけど……


 まさか自分も箱庭の扉の代理管理者になるとは、この時は思ってなかっただろうね。だって、僕自身も箱庭ゲートキーパーの成長ぶりに驚いているんだもん。


 あ、その話はキドさん達が到着する日の事なんだけど……


 その日、朝からアルが僕の部屋に飛び込んできたんだ。


 「ゴ主人!オハヨウゴザイマス!起キテ下サイ!」

 「……ん〜……なに?アル」

 「凄イデスヨ!モウゲートキーパーノレベルガ上ガッテイルンデス!ステータス開ケテミテ下サイ!」


 最近はナーシャと一緒に寝る事が多くなったアル。器用にドアを開けて、僕の顔にスリスリ頬擦りして起こしにきたんだ。


 なんかアルの頬擦りが可愛くてね!思わず寝たふりしてたら……


 「モウ!」

 「痛っ!」


 嘴で頬を甘噛みされちゃったけどね。

 甘噛みでも痛いよ、アル〜。


 「わかったわかった、起きるってば!」


 目をゴシゴシしながら起きて、開いてみたステータスはね……

 

 クレイ・リーガン 5 男

 HP 450

 MP 800/800

 SP 3130

 スキル 箱庭ゲートキーパー〈レベル8.5〉 

     生活魔法 箱庭錬金 ゲートインアウェイ

 称号  異世界転生者 時空神の祝福


 あ、MPも上がってる!じゃ、こっちは……?


 【箱庭ゲートキーパー】レベル8.5

 [箱庭]

 ・海の箱庭の扉 開放済み

 ・布の箱庭の扉 開放済み

 ・畑の箱庭の扉 開放済み

 ・コモンルームの箱庭の扉 開放済み

 ・パニックルームの箱庭の扉 開放済み(1/2)

 ・牧場の箱庭の扉 開放済み

 ・鉱山の箱庭の扉 開放済み

 ・ガーデニングの箱庭の扉 開放済み

 ・温泉の箱庭の扉 SP500←NEW!

 

 [ゲートキーパー]扉管理者の能力

 ・箱庭錬金 取得済み

 ・チーム作成(登録上限256名) SP80←NEW!

 ・チームゲートホン 取得済み

 ・ゲートインアウェイ 取得済み

 ・ゲートキーパースマートキー×2 取得済み

 ・ゲートキーパーマスターキー 取得済み

 ・箱庭バーチャルキー(ゲートキーパー専用)SP1,000←NEW!

 ・箱庭化 SP10,000


 「わあ!やっぱり来たんだ!温泉の箱庭の扉!」

 「ソレモソウデスケド!箱庭バーチャルキーノ方ガ優先デスヨ!」

 「へ?なんで?」

 「良イデスカラ取得シテミテ下サイ!」


 アルが強く勧めるって事は何か大事な事があるのかな?


 そう思ってSPを消化して見ると……


 「ん?これってスマホ?」

 「イエイエ、箱庭バーチャルキーデス。指紋認証デ開キマスカラ画面ヲタップシテ下サイ」


 僕の手には、スマホの形の箱庭バーチャルキーがあったんだ。アルに言われた通りタップすると、箱庭バーチャルキーが起動し始めたんだ。


 『ゲートキーパー認証…………登録しました。ステータスボードと箱庭バーチャルキーの統合をしますか?

     →はい     いいえ   』


 「コレハ大事ナ物デスカラ是非ハイヲタップシテ下サイ!」


 しばらくすると質問が出て来て、アルの言う通りにしたらね。ステータスボードに箱庭バーチャルキーがスッと入っていってステータスボードに『同期中』って出たんだよ。


 「ゴ主人!ヤリマシタネ!アレガ出ルト、ゲートキーパーノ能力ガヨリレベルアップシマスヨ!」


 アルがベットの上でお尻をフリフリさせながら踊っているけど、僕には何がなんだか……?


 『……同期完了。声紋認証致します。箱庭バーチャルキーオープンと読み上げて下さい』


 「箱庭バーチャルキーオープン?」


 『声紋認証完了。箱庭バーチャルキー開始致します』


 するとね、ステータスボードがヴァン……ッと目の前に三枚も出て来たんだ!


 右側の画面にはチーム登録者の名前と健康状態と現在位置が表示されていてね。


 真ん中の画面では、各箱庭の様子が色んな角度から映像で送られて来ているの。


 左側の画面には箱庭一覧の横に、開放と施錠のマークがついていたよ。今は全部開放しているから開放マークが光っているね。その下には灰色の文字でHSAロックって表示されていてね。今何をやっても動かせない状態なんだよ。コレはアル曰く……


 「箱庭化スルトロック解除ニナリマスヨ」だって。そっかと思って真ん中の画面を見たらね……


 うわぁ、みんなもう動いているんだ。あ、ライル兄さん達今日はロン兄さん達のところで、防具作ってる。ん?ナーシャ、もう起きてマナちゃん(4)と一緒に畑の箱庭の収穫手伝ってるんだ!偉いなぁ。


 ん?コレ視点がパニックルームの展望台からの視点にも切り替えられるし、村の集会所や領主部屋、図書室も見えるんだね!あ、今日もイーグとフォンが巡回してくれてる!


 うん!これって良いね!

 ってアレ?右側の画面で点滅してる人がいる……


 キドさんだ!


 「アル!これってどういう事?」

 「何か異常事態発生デス!名前ヲタップシテミテ下サイ!」


 急いでキドさんの名前をタップすると、右画面にさらに映像画面が出て来たんだ!その画面には、キドさんが馬車を一生懸命に走らせている映像が映ったんだよ。


 ……でもおかしいね?何かに追われているわけでもないのに。……これは聞いてみた方が良いね。


 『キドさん!何かあったの?』

 『……クレイ?そうか!この手があったか……!それよりも隣の開拓村で伝染病が発症していたんだよ!妻がどうやら罹ってしまった!僕はまだ大丈夫だけど……』

 《主!私は大丈夫だ!人間にのみかかるモノらしい!》


 えええ!伝染病だって⁉︎

 キドさん達が大変‼︎かと言って、キドさん達をこのまま村に入れるわけにも行かないし……どうしたらいい⁉︎

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る