第5話 敗戦皆殺しフラグ破壊
主力であるだろう他の王国鎧と違う一団を倒すと、皇国軍は歓声を挙げて息を吹き返し、攻勢に移り始めた。
『赤いのに続け!』『皇国貴族の誉を見せつけろ!』
王国鎧に殺到し、勢いのままに主力がやられ、怯んでいる王国鎧を撃破していく。
「この戦い、これ以上の損耗なく勝つことはできるか?」
『マスターの力があれども、2割ほどは失われるかと』
「そうか。王国の後続部隊の対処はいい、戻ってこい。前線にいる指揮官クラスの王国兵たちにお前の力を見せつけて、自分たちが何と戦おうとしているのかをわからせろ」
『承知しました、マスター』
指示を出すとすぐに空間転移で、デマキが現れた。
太陽を背に漆黒の翼を広げる様はさながらこの世に舞い降りた悪魔だ。
『あああ……、精霊鎧だ。こんなの聞いてないぞ! 皇国の雑魚どもを蹂躙する楽な戦いだったはずだ! なんでこっちが狩られる側になってんだよ!』
絶望する王国兵の声をよそにデマキは徐に指を横一閃すると、目の前にいる王国の鎧の首が飛び、近くの岩山が切断され、崩落した。
『代理指揮官であるセブンス大隊長から全王国兵に告ぐ! 撤退! 今すぐに撤退しろ! 皇国側に精霊鎧以上ーー神鎧を確認! 皆殺しにされたくなければ足を動かせ!』
『不思議ですね。まだ結果が出る前だというのに、逃げるとは』
デマキの通常攻撃のあまりの威力に、完全に恐慌に陥って王国兵が逃げていくのに対して本当に不思議そうにデマキは呟く。
どうやらまだ恐怖という感情を知らないらしい。
設定では凄腕錬金術師によって作られた後に、未使用のまま遺跡に封印されていたので、戦術的なことは完璧でも、まだ人に対しての理解が低いのだろう。
「よく覚えておけ。お前と俺のようにあまりに大きな力を持つものに人は恐怖する」
『承知しました、マスター』
デマキの疑問に答えると、王国鎧がその場から撤退をしていた。
王国の皇国への侵略戦争は皇国の勝利で幕引きだ。
「皇国兵の損耗はどれだけだ?」
『骨折などの重症者は出ましたが、死者は0人です。参考までにお伝えしますが王国軍も死者は0人です。マスターの魔力波から死者を出したくないという意図を汲み取り、マスターと同じく鎧の破壊のみ実行しました。意図の汲み取りに誤りはありますか? 誤りがある場合はマスター仕様に魔力波解析をアップデードします』
「問題ない。よくやってくれた」
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