第4話 奥義、ピンクブロンド直伝階段落ち

あれから、事態は悪くなっていく。


「スザンナの部屋から毒が、これは・・・」


「ああ、アリシア・・様が使ったとされる毒と同じだ」


「伯爵様!王家騎士団から、使いの者が来ました」


「何!この事件は王家の耳に入ったと?」



何と言うことだ。下町の闇薬商の顧客名簿に、スザンナの名前が、購入日は、数ヶ月前、これは、もしかしなくても、アリシアは無罪だった。

その残りを、スザンナが持っていたとは、

兄上の子だ。

厳しいと有名な奉公先で、性格の矯正をしてもらおう。


「スザンナ、残念だよ。兄上の子だから、令嬢として育てようと思ったが、君は侯爵家のメイド見習いとして行きなさい」


「そんな。信じて下さい!アリシア様を陥れたのは私です。しかし、今回は私ではないのです!

メアリー、あいつは、悪魔です!」


「君には失望したよ。使用人学校に行けば、下位貴族と結婚出来る可能性もあったのに・・」


私が異動するときは、いつも、女騎士が付き従う。


メアリーに、面会を求めた。

あれは、私の上位互換か、別のナニカに違いない。


ある日、はばかりに行こうとしたら、2階の廊下でばったりあった。

メアリーにはメイドが付いている。

もうすでに、令嬢扱いね。


「メアリー!お前は何者?人をハメて楽しい?私が貴方に何をしたの?そんなに私のこと憎い???」


「スザンナ!黙れ!」

「さ、変な者を見ては目が汚れます。メアリー様、こちらへ」


「違うの。皆、違うの。スザンナ義姉様は悪くないの。私がこっそりポットに毒を入れてのんだの~~~~」


「まあ、何と健気な」

「グスン、お嬢様、あんな奴を庇うとは・・」


・・・これは、ほんの数ヶ月前の私だ。

こいつ、この時、この場所で、ワザと本当の事を言ってやがる。


「スザンナ義姉様と二人っきりでお話したいの~~~~」


「まあ、手錠をはめているから大丈夫かしら」

「ええ、ここで、私が見ているから、スザンナの性格を矯正して下さいませ」


私は座らされて、メアリーと話すチャンスを得た。


やつは、耳元に口を近づけて、言い放ちやがった。


「メアリーは、義姉様、大好きなの~~~スザンナ義姉様の魂から、ネズミの死骸がプカプカ浮いているドブ川の匂いがしたの~~~大好きなの~~~だから、地獄に落してあげたの~~~」


「な、何!」


私は、両手で押した。手錠が付いている。ほんの少し押したのに、


やつは、大げさに後ろに飛び。背面から、階段に落ちた。


ガタガタガタガタ~~~

ゴロン、ゴロン


「「メアリー様!」」

「この、スザンナ!」


後日、階段から、落ちたのに、無事だと聞いた。


「奇跡的に怪我なしとは、やはり、メアリー様は天使だ」


言ってろ。カス!


「スザンナ、残念だよ。北の修道院に行きなさい。そこで、兄上の冥福を祈るがいい」


「伯父様、あれは、悪魔です。天使ではありません!信じて下さい!」


「ええい。もう、いい。連れて行け!」


そう言えば、アリシアも、信じて下さいと言っていた。

何、ワビればいいだろう。家族だ。


「姉上、いつ帰って来るかな」

「ああ、アリシア嬢に謝罪すれば許してくれるだろう。帰ったら、こんなに可愛い義妹が出来たのだからな」


「「「私たち使用人一同、心を入れ替えて、アリシア様とメアリー様にお仕えします」」


しかし、数日後、貴族院から、使者が来た。


「何ですと、メアリーの養子縁組は却下と?理由は?」


「メアリー【様】ですな。やんごとなきお方の血筋です。それ以上は知らない方がいいでしょうな」


「そんな」


「皆様、有難うなの~~~~」


メアリーは去って行った。


伯爵は、思い出したかのように言った。


「やはり、我家の太陽はアリシアだ。すぐに、修道院に使いの者を出せ!」


「畏まりました」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る