第4話 奥義、ピンクブロンド直伝階段落ち
あれから、事態は悪くなっていく。
「スザンナの部屋から毒が、これは・・・」
「ああ、アリシア・・様が使ったとされる毒と同じだ」
「伯爵様!王家騎士団から、使いの者が来ました」
「何!この事件は王家の耳に入ったと?」
☆
何と言うことだ。下町の闇薬商の顧客名簿に、スザンナの名前が、購入日は、数ヶ月前、これは、もしかしなくても、アリシアは無罪だった。
その残りを、スザンナが持っていたとは、
兄上の子だ。
厳しいと有名な奉公先で、性格の矯正をしてもらおう。
「スザンナ、残念だよ。兄上の子だから、令嬢として育てようと思ったが、君は侯爵家のメイド見習いとして行きなさい」
「そんな。信じて下さい!アリシア様を陥れたのは私です。しかし、今回は私ではないのです!
メアリー、あいつは、悪魔です!」
「君には失望したよ。使用人学校に行けば、下位貴族と結婚出来る可能性もあったのに・・」
私が異動するときは、いつも、女騎士が付き従う。
メアリーに、面会を求めた。
あれは、私の上位互換か、別のナニカに違いない。
ある日、はばかりに行こうとしたら、2階の廊下でばったりあった。
メアリーにはメイドが付いている。
もうすでに、令嬢扱いね。
「メアリー!お前は何者?人をハメて楽しい?私が貴方に何をしたの?そんなに私のこと憎い???」
「スザンナ!黙れ!」
「さ、変な者を見ては目が汚れます。メアリー様、こちらへ」
「違うの。皆、違うの。スザンナ義姉様は悪くないの。私がこっそりポットに毒を入れてのんだの~~~~」
「まあ、何と健気な」
「グスン、お嬢様、あんな奴を庇うとは・・」
・・・これは、ほんの数ヶ月前の私だ。
こいつ、この時、この場所で、ワザと本当の事を言ってやがる。
「スザンナ義姉様と二人っきりでお話したいの~~~~」
「まあ、手錠をはめているから大丈夫かしら」
「ええ、ここで、私が見ているから、スザンナの性格を矯正して下さいませ」
私は座らされて、メアリーと話すチャンスを得た。
やつは、耳元に口を近づけて、言い放ちやがった。
「メアリーは、義姉様、大好きなの~~~スザンナ義姉様の魂から、ネズミの死骸がプカプカ浮いているドブ川の匂いがしたの~~~大好きなの~~~だから、地獄に落してあげたの~~~」
「な、何!」
私は、両手で押した。手錠が付いている。ほんの少し押したのに、
やつは、大げさに後ろに飛び。背面から、階段に落ちた。
ガタガタガタガタ~~~
ゴロン、ゴロン
「「メアリー様!」」
「この、スザンナ!」
後日、階段から、落ちたのに、無事だと聞いた。
「奇跡的に怪我なしとは、やはり、メアリー様は天使だ」
言ってろ。カス!
「スザンナ、残念だよ。北の修道院に行きなさい。そこで、兄上の冥福を祈るがいい」
「伯父様、あれは、悪魔です。天使ではありません!信じて下さい!」
「ええい。もう、いい。連れて行け!」
そう言えば、アリシアも、信じて下さいと言っていた。
何、ワビればいいだろう。家族だ。
「姉上、いつ帰って来るかな」
「ああ、アリシア嬢に謝罪すれば許してくれるだろう。帰ったら、こんなに可愛い義妹が出来たのだからな」
「「「私たち使用人一同、心を入れ替えて、アリシア様とメアリー様にお仕えします」」
しかし、数日後、貴族院から、使者が来た。
「何ですと、メアリーの養子縁組は却下と?理由は?」
「メアリー【様】ですな。やんごとなきお方の血筋です。それ以上は知らない方がいいでしょうな」
「そんな」
「皆様、有難うなの~~~~」
メアリーは去って行った。
伯爵は、思い出したかのように言った。
「やはり、我家の太陽はアリシアだ。すぐに、修道院に使いの者を出せ!」
「畏まりました」
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