第3話 義姉妹のちぎり!

フフフ、私はスザンナ、下町では頂き街娘と言われたスザンナよ。


これで終わらない。


この家がメアリー中心に回っているのなら、私が、メアリーの優しいお姉ちゃんの立ち位置に来れば良い。


面倒な媚びはメアリーに任せて、私は楽が出来る。


「メアリーちゃん。一緒に、お茶会をしましょう」


「ええ~メアリーは、猫さんとお話するの。使用人さんたちと暮らしている猫ちゃんが子猫生んだの」


何、それ知らないわ。そこまで、入り込んだとは、


何回も袖にされた。


しかし、奴もメス、宝石やドレスでつってやる。


「メアリーちゃん。お部屋に来ませんか?ドレスや宝石を見せてあげるわ」


「はいなの~~~」


フフフフ、たわいもない。蝶々やお花のネックレスを用意したわ。

それをやって、ご機嫌を取ってやる。


「どう、これ、綺麗よね。つけてみる?」


「やーなの。こっちがいいの」


・・・これは、アリシアから頂いた宝石、高いのよね。でも、投資だ。家に残れるかどうかの瀬戸際だ。


「ほしーの、ほしーの。宝石ちょうだい!ドレスちょうだい!」


「そうなの。これが、欲しいの?でも、これは大人用だから」

「こっちがいいの。義姉様みたいに綺麗になりたいの!」


それからも、度々、部屋を訪れて、物をねだるようになった。


呼び出しを受けたわ。執務室ね。


さすがに、伯父様もメアリーのおねだりに苦言を言うのかもしれないわね。


執務室に行ったら、伯爵と、メアリー、義弟、カーターが雁首を揃えていやがった。


「伯爵様、スザンナ様から、宝石、ドレスをもらったの~~~」


「そうか。ワシからも言っておこうと思っておったが、決心したか」


・・・何?話がおかしな方向に行ってない?


「スザンナ、君は、使用人学校に行きなさい。令嬢用の予算で、君は宝石やドレスを買いすぎだ。使用人には必要ないものだ」


「そ、そんな。私が養子になって、カーター様と婚約結びますわ。政略結婚が出来ますわ」


「それは、君のあのダンスは、当家の家風にふさわしくない。寄子から、養子をもらうか。メアリーを・・・」


「父上!その、メアリーは、僕と」

「デービット君、伯爵殿のお話を聞きたまえ」


いつのまに、こうなったら、猶予はないわ。

メアリーに、『義姉様』と呼ばせてやる!


あれからも、怒濤のおねだり攻撃が続いたが、遂に、お茶会に来てくれることに同意した。


悔しいけど、この家は、メアリーを中心に回っている。

使用人が沢山集まってるわね。

伯爵と、義弟と、カーターもニコニコして見ているわね。


さあ、見なさい。私は、メアリーの義姉スザンナ、お義姉ちゃんと言わせてやる。


「メアリーちゃん。義妹(いもうと)と呼んでいいですか?私には幼い頃、死に別れた妹がいて、グスン」


嘘だ。しかし、泣いた。悲しいことを思い出した。頂けなかった宝石に思いを寄せる。


「わかったの~~~じゃあ、これから、スザンナ義姉様と呼ぶの~~~」


「そう、そうね。それなら、姉妹ね。義姉妹のちぎりを結びましょう」


大声で言う。

遂に、ハメタわ。

この子、利用されているとも知らずに、呑気ね。


「さあ、私が入れた紅茶、飲んで下さいませ」


「はいなの~~~ゴク、ゴク、ウウウ、グハ、ウゴ、ゲゲゲーーー」


バタン!


「何が、起きたの?」


「メアリーお嬢様!」

「早く、医者を!」


「スザンナ、見損なったよ。毒を入れたな」


「そんな。今回は、入れておりませんわ!」


「「「今回は???」」」


はっ、もしかして、これは、ワナ。


「拘束だ!しばらく空き部屋に監禁だ。スザンナの部屋を調べろ」


「待って、下さい。信じて下さい!私は何も入れてません!」


私は女騎士に拘束され、部屋に閉じ込められた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る