第2話 お転婆令嬢の健気なダンス!

あのガキ、メアリーは、私の居場所を次々に奪っていった。


☆使用人達


「皆様、いつも、お世話、ありがとうなの~~~クッキー焼いたの~~」


「「「有難うございます」」」

「サクサクで美味しい」

「スザンナ様は、いつも買ってこられたけども、メアリー様は自分で焼いたのですか?」


「そーなの。頑張ったの~~」


☆義弟デービット


「キャ、虫がドレスに入ったの~~~とってほしーの」


「ええ、僕、男だけど・・・わかった。ほら背中を叩くぞ」


バン!パン!


ブ~~~~ン


「有難うなの~~お兄ちゃん、キャ、デービット様・・・」

「ああ、大事に至らないで、良かった」


☆アリシアの元婚約者カーター


「キャーキャーキャー、バラの枝に髪の毛が挟まったの~~助けて欲しいの~~~」


「ええ、仕方ないな。ほら、ジッとしててごらん」


「有難うなの~~お花が綺麗で、近づいたら、挟まったの~~」


「ハハ、次からは、気を付けるのだぞ」


「わかったの~~~、あ、蝶々なの~~待って~~」


「こら、言った先から、危ないよ」


ガシ


「手をつないで、屋敷に戻ろう」

「はいなの~~~」


・・・・


頭が痛い。しかし、何でいるの?あいつは平民・・・

伯父に聞いて見よう。

貧民街に突っ返さすように言ってやろう。


「伯父様、あのメアリーという子、早く、家に帰した方が良いのではないでしょうか?」


「・・・スザンナ、あの子は、記憶喪失なのだ。可哀想な子だよ」


「なら、孤児院に送りましょう」


「・・・スザンナ、あの子を養子にしようと思っている」


「何ですって、貴族の家に、平民が来たら、困るだけですわ。あの子のためになりませんわ」


「スザンナも平民出身だが、メアリーの顔立ちは、貴族だ。もしかして、高位の貴族の庶子かもしれない。貴族院に問い合わせている。

 ところで、スザンナ」


・・・何よ。急に怖い顔になって、この男、人が善いだけが美点の凡人のくせに、


「君は、いつから、マナー、勉学を再開するのかね。家庭教師が暇だから、メアリーにつけたら、既に、貴族学園に行けるレベルに達しているよ。

 それに引き換え君は未熟と報告が来たよ」


「そんな。当主の推薦状で、入学出来るって」


「それは、病気で長期入院していた子息とかだよ。君は健康なのだから入試で入り給え」


「そんな・・・」


しかし、それでも、ダンスは私の方が上よ。

女の色気では私が勝つ。

一緒に、ダンスをして、違いを見せつけてやる。


「スザンナ様、そのダンスドレスは・・・背中が、丸見えです。お尻まで・・」

「いいから!これで、レッスンを受けます」


「よろしくなの~~~」


ポロン♪ポロン♪ポロン♪


・・・フフフ、伯父様と、デービット、カーターが見ているわね。あら、手が空いている使用人達も、ワラワラ見物に集まっているわ。


「メアリーお嬢様可愛い」

「ああ、天使だ」


何?何が起きている。


ただ、よろけながらも、一生懸命に踊っているだけじゃない。


見なさい。私の胸の谷間を、私の背中を、ほら、もう少しで、お尻の割れ目が見えるから、


「はい、ダンス終了です」


パチパチパチ~~~~

パチパチパチ~~~~


「メアリー様、課題を一生懸命練習していて偉いですね」


「先生、有難うなの~~~体が先、足が自然に、難しいけど、出来たら楽そうなの~~~」


「あの、先生、私の講評は?」


「ささ、メアリー様、こちらへ、次はペアで練習します。ゆっくりダンスをしましょう。私が男役をやりますから」


「はいなの~~」


「私は・・・」


「あ、スザンナ様は、今のままで大丈夫ですわ」


クゥ、相手にされていない・・・・


でも、それなら、それで、やりようがある。




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