お仕置き

「デュランになんてことをするのこのバカ娘!! いい加減かげんにしなさい!!!」


「私はお母様の娘である前に一人の女ッ!! 絶対にあきらめませんわ!!!」


「……困ったな、今の俺じゃ止められねぇ」


「……ですね、王様」


 ウィンクルム連合王国の上空で全力の魔法をぶつけ合っているアリスとステラにデュランは困り果てていたたが、取りあえずアリスの顔がいてある団扇うちわを創ってからルビーと二人でアリスの応援おうえんを始めた。

 そうしていると心なしかアリスの方が押し始めていることに気が付き、思わず首をかしげながらもアリスの応援を続けた。


「――何のさわぎですか!! 父上!!!」


「うん? あぁ、ヘルトか。話すと長くなるんだが、実はな――」


 しばらくそのまま応援しているとヘルトがけつけたのでこうなった経緯けいいを話すと頭を抱えてから「何をやってるんだよ、ステラ」とぼやくと、デュランへこの場所にるよう言ってから飛び出していった。

 それをデュランは笑顔で手を振って見送ると新たにヘルトの顔が描かれた団扇を創り、ルビーと二人で応援を続けた。

 そうして二対一になってもしばらくの間ステラはえていたが本気で怒ったヘルトの嵐流界刃らんりゅうかいじんけたことですきができ、魔法で拘束してからアリスがなぐり飛ばしたことで親子喧嘩けんかは終わり。

 ステラはほぼ全ての魔力をアリスにうばわれてから何もない空間へと叩き込まれた。


https://kakuyomu.jp/users/kokubyouyamana/news/16817330668337716395


「……少しは反省した、ステラ」


「いいえ――ウグッ!」


 三日後。アリスは四肢ししくさりしばり上げられたステラを底冷そこびえするほど冷たい目で見ながらそう質問したが、返答から反省していない判断して鎖でステラの背中を打ちえた。


「反省するまでその鎖はステラを打ち据えるから、反省したら言ってね」


「するわけないですわ、このぺちゃぱ――ガァッ!!!」


 アリスは自身のコンプレックスである胸の小ささをバカにしようとしたステラを無理矢理だまらせ、ステラが声を出せなくなるまで鎖で打ち据え続けた。

 それでも反省してない様子のステラにアリスはため息を吐き――ステラの首へと鎖をきつけた。


「――ッ!??」


「僕が浮気したらその相手を殺すって言ってたデュランの気持ち――今はよく分かるなァッ!!!」


 そのままステラの首の骨をアリスはへし折ったが、アリスが創ったこの空間では死んでもすぐに生き返る。

 アリスは殺し続けて心を折ろうとしても変わらず自身をにらみつけ続けるステラの姿に舌打したうちし、前気持ち悪い魔王からされたのと洗脳同じことをしようか悩んだが。

 流石さすがあれは・・・あんまりだなと己を落ち着けてから「反省できないのなら、デュランが死ぬまでここにいてもらうよ?」とステラの耳元でげた。


 反応は劇的げきてきであり、目を見開きながらうなずいたステラの首から鎖を外した。

 そして涙目のステラと魔法の契約を交わし、デュランが死ぬまでデュランの一メートル以内に近寄ちかよれなくしたアリスは満足げに笑顔を浮べるのでした。……鬼かな。

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