魔人

「デュラン、貴方が生きていられるのは後十年が限界よ。死ぬまでの間に何をするか、今のうちに考えておきなさい」


「やっぱりそんくらいか。ヴィンデ、見てくれてありがとう。

 それと死ぬまでに何をするかはもう決めてあるんだ、少し話を聞いてもらってもいいか」


「……いいわよ」


 デュランは自身でも恐らく十年以上は生きられないと思っていたのでヴィンデの言葉を素直に受け取り、十年という短い時間の中で何を残すのか・・・・・・ヴインデヘとげた。

 するとヴィンデは目を見開いて一瞬固まったがすぐに立ち直り「デュランらしいわね、そんなものを残そうとするなんて。きっとアリス達もその話を聞いたらあっとおどろくわよ」と言ってから外で待っているアリス達を呼びに行った。


「デュラン!! 体は大丈夫だった!!!」


「あぁ、どうやら安静あんせいにしてれば一月ほどでつえがなくても歩けるようになるそうだ。

 ただ、俺が生きていられるのは後十年が限界らしい。あれだけの無茶をやったんだから寿命が十年も残ったのは運がよかった。

 ……アリス、泣かないでくれ。俺はアリスの泣き顔も好きだけど一番好きな表情は笑顔なんだ、だから最期さいごまでアリスには笑顔で俺のことを見送って欲しいんだ。

 ――ごめんなアリス、愛してる」


「――うん。僕も、愛してる」


 デュランがそう言うとアリスは服のそで涙をいてからそう短く返事をすると、デュランの体を強く抱きしめた。

 アリスと一緒に部屋へ入ってきていたヘルトはそんなデュラン達の姿を目にすると一筋の涙を流してそれを拭ってから、意味が分かっていないステラを連れて部屋の外へ出て行った。……どうやら気をつかわせてしまったようだ。


「なあ、アリス。今日は騎乗位きじょういでアリスが攻めてくれないか、俺自身じゃろくに体を動かせないから」


「ぼ、僕がデュランの上に乗るってことl? 僕、そんなことやったことないし、できる自信がないよぉ……」


「大丈夫、俺も手伝うから一緒に頑張がんばろう」


 デュランはそうしてアリスを説得した後、はだかになるとベッドへ寝転んでアリスが攻めてくるのを待っていたが。

 アリスはもうすで勃起ぼっきして臨戦態勢りんせんたいせいととのえているちんこを見ながらやすうけけ合いしたかも知れないと、少し後悔していた。


「……でゅ、デュラン、やっぱり半年間もしてないからまってるの?」


「うん、溜まってる。そう言うアリスはどうなんだ、浮気うわきとかして溜まってないのなら相手を殺すから。しっかり言ってくれ」


「僕も溜まってるけど、デュランほどじゃないよ」


 浮気をうたがわれたアリスは少し面白くなさそうにほおふくらませていたが、その場で着物とオムツを・・・・ぎ捨ててからビショビショ・・・・・・れているオムツをデュランへわたした。

 デュランはそのオムツを少しの間ながめた後、ニヤリと笑いながら「オムツを一日中けているなんてまるで赤ちゃんだな、俺が毎日オムツをえてあげようか?」と言った。

 アリスはその言葉を聴くと顔を真っ赤にめ上げてからデュランの上へ乗ってちんこに狙いをつけた後、「デュランが僕の体をそんな風に開発したんだろうガァッ!!!」とさけながら思い切りこしを振り下ろした。


「えっ、なんで」


 するとデュランのちんこはアリスの体の中へと吸い込まれていったが、アリスが覚悟していたような気持ちよさは感じず。目をぱちくりとさせて戸惑とまどっていると。

 デュランが悪魔のようにゆがんだ笑みを浮べているのが視界へ入ったことで嫌な予感がし、あわててちんこを抜くために立ち上がろうとしたが。

 途中で腰が抜けてしまい――もう一度ちんこがアリスの体へと突き刺さった。


「あ、れ」


 アリスは少しの間きょとんした顔で固まっていたが、この時ようやく己の体が小刻こきざみにふるえていることに気が付いた。

 そして快感かいかんを感じなかったのではなく、感じすぎて脳が・・・・・・・感覚を麻痺させて・・・・・・・・いたのだと・・・・・理解したが。もう遅かった。


「デュラ、ン……たす、け」


「ヤ~だよ♡」


 アリスはデュランに助けを求めたが、とてもいい笑顔でデュランはことると。下からアリスの体を突き上げ始めた。

 その次の瞬間。脳で止められていた快感が――アリスの全身をめぐった。


「ほんぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛アアアァァァッ~~~~~~~~♡♡♡♡♡♡♡♡!!!!!!!!」


 アリスの体はメチャクチャにあばれながら快感から逃れようとしていますが、デュランは今出せる全力でアリスの腰を押さえながら突き上げ続けており。当分アリスを絶頂地獄にいさせるつもりのようだ。

 ……女性の絶頂ぜっちょうは男性の一過性いっかせいの絶頂とは違い、行為こういめなければいつまでも続きます。優しい男性の諸君しょくんは必ず女性を休ませるようにしましょう。


 それから丸一日おかされ続けたアリスは「デュランの、うそつき」と後でデュランに抗議こうぎしましたが、火事場かじば馬鹿力ばかぢからだと言われてしまい。反論が思いつかず、ふて寝するのでした。








「ここがウィンクルム連邦国の跡地か、本当にバカでかいクレーターがあるだけだな――うん?」


https://kakuyomu.jp/users/kokubyouyamana/news/16817330667884960514


 デュランはアリス達に己が死ぬ前にやりたいことを伝えてみると賛成さんせいしてもらうことができたので、創る場所の候補の一つであるウィンクルム連邦国の跡地へと家族全員で来ていた。

 そして巨大なクレーターを眺めていたデュランは何か違和感を感じ、少し真剣に気配を探ってみたが何も感じなかった。


「ヘルト、何か違和感があるんだが。分かるか?」


「……何かクレーターの中から感じます、父上」


 デュランは自分の感覚がバカになっている可能性もあると判断し、ヘルトへたずねてみるとクレーターの中から何かを感じると言ったため。クレーターの中へ入ることを決めた。

 ウィンクルム連邦国に落とされた核ミサイルはラドン222を使った物なので三十年経った今はもう安全だろうが念には念をと、アリスに前アイディール神国へ行くときに使った放射線ほうしゃせんはじ障壁しょうへきを張ってもらい。

 クレーター内部へと突撃しようとしたが家族全員から止められたので、仕方なくヘルトに偵察ていさつをお願いした。


「――父上! クレーターの中に街があります!!」


「何ッ!? 本当かッ!! それじゃあ全員で見に行こう!!!」


 デュランはその言葉を聴くとそう言ったが、けわしい顔をしたアリスが無言で首を振った。


「ダメ、デュランはステラと留守番るすばん。ヘルトはデュラン達の護衛ごえいをお願いね」


「そんな~、そりゃないよアリス……」


「ッ!?? ――そんな顔してもダメな物はダメッ!! ヴィンデ様、一緒に行きましょう!!!」


 アリスは捨てられた子犬のような顔で自身を見てくるデュランに一瞬負けそうになったが、なんとか持ち直してヴィンデと二人でクレーターの中へと進んでいった。


https://kakuyomu.jp/users/kokubyouyamana/news/16817330667884972682


 するとクレーターの中にはかなり大規模な街が存在していて驚いたが予想外の事態はもう慣れっこなので冷静に視力を強化し、暮らしているのが誰なのか見てみると――なんと魔王達だった。


「えぇッ!? ヴィンデ様!! ここに住んでいるのは全員が魔王です!!!」


「大樹にきた人型の数が少なかったからどこかにいるとは思っていたけど、まさかこんな所にいたとはねぇ。

 私が姿を見えなくするから、しばらく近くで観察してみましょう」


 それからしばらくの間暮らしている魔王達を観察してみると、まるで人間のように暮らしている魔王達の姿ばかりを見つけてしまい。

 魔王=危険な存在という前提ぜんてい条件がガラガラと音を立てて崩れていくのを感じてアリスは頭が痛くなったが。

 話の通じそうな相手なら偏見へんけんの目で見てはいけないと自身へ言い聞かせ、アリスの分の魔法だけを解除してもらい。蝙蝠こうもりの羽を背中から生やしている少女に話しかけた。


「……あ、あの。お話ししても、いいでしょうか?」


「えっ……せ、聖女様!?? も、もしかして、ぼ、ボク達を殺しにきたんですかッ!!! ボクの命は取ってもいいので他のみんなの命は取らないで下さい!!!!  お願いします!!!!!

 みんなボクの友達なんです――本当にお願いしますッッッ!!!!!!!!」


https://kakuyomu.jp/users/kokubyouyamana/news/16817330667884954400


 アリスの顔を見つめて少しの間固まっていた少女はアリスの正体を理解するとすぐに石造りの道の上で土下座どげざし、仲間の命乞いのちごいを始めた。

 アリスはなんとか少女を落ち着かせようとしたが混乱の只中ただなかの少女を落ち着かせることはできず、周囲の魔王達も集まってきて大騒おおさわぎになってしまうのでした。


 こうして長い付き合いになる魔人まじんの少女ルビーと出会ったアリスは、魔王あらため魔人達が自身を取り囲んでいる光景へ冷や汗を流していましたが。必死の説得でこの場をおさめることに成功するのでした。

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