後悔
デュランが大樹ユグドラシルの竜穴へと飛び込んだ後、あれほど荒れ狂っていた竜穴の魔力は
こうして黒神達の引き起こした世界存亡の危機はデュランの手で全て
アイディール神国での黒神の復讐をする瞬間から始まり、僕達と黒神との会話、そして黒神との闘いとその決着、そして十年前の黒神とデュランの会話が流れた後。
ヘルトが異空間へ連れて行かれるまでの闘い、ヘルトがいない状態で大樹ユグドラシルを守ろうとルイス達が
これら全ての映像が音声付きで世界中の国々で流れて大混乱が
それから一ヶ月の間。僕達はルイスさんのスミス王国で
それでもどこかできっと生きているはずだと信じて家族でスミス王国を旅立ち、世界中の国々や竜穴を回ってデュランを探し続けても見つからず。気が付けばデュランがいなくなってから半年が経っていた。
もしかしたらデュランはもう死んでいるんじゃないかとこの頃には思い始めていたけど、それでも
それを見つけた僕はもうデュランに会えないのだと悟って一晩中泣きじゃくり、たくさんのことを後悔した。
その中でも一番後悔したのはデュランに愛しているとちゃんと言っていなかったことだ
いつも
「
「えっ、あ、はい。大丈夫ですよ」
https://kakuyomu.jp/users/kokubyouyamana/news/16817330667831842972
僕はベルメーアの
ベンチの真ん中へ僕が座っているから杖のお兄さんが座れないのだと気が付いて少し
「どうやら
「と、とんでもないです。僕の方こそベンチを
僕がそうして
「迷惑だなんてとんでもないッ!! 私は正直
「アハハッ――ありがとうございます」
僕のことをストレートに
お兄さんの前で泣くわけにはいかないと服の
「そう言えばどうして貴女のような
――ただ気になっただけですから」
「そうですね……では少しの間、お話ししても大丈夫でしょうか?」
「えぇ、大丈夫ですよ」
僕はお兄さんの返事を聞くとデュランとの出会いから話し始め、デュランはとてもメチャクチャな人で僕の暗くて苦しい人生を光り
エルフ族の里で結婚してから一緒に旅をしながら様々な場所で人助けをしたことを言い、最期はこの世界を救って死んでしまったことを伝えた。
「……立派な人だったんですね、そのデュランって人は」
「うん、僕の大好きな人。自分勝手で、優しくて――そんなデュランと
「お
「えっ」
僕はお兄さんからそう言われたことでようやく目から
なんとか止めようと袖で拭い続けたが涙は
「こ゛め゛ん゛な゛さ゛い゛、お゛に゛い゛さ゛ん゛」
「……」
どうしても涙を止めることのできない僕はお兄さんへ必死に謝ったが、お兄さんはそんな僕の姿を見つめながら頭をかいた後。
「――あぁ、もう
そう言いながら頭に片手を置いてから、
https://kakuyomu.jp/users/kokubyouyamana/news/16817330667831835482
「あぁ、そのアリス。
「――デュランッ!!!」
「――イタァッ!??」
僕は一瞬固まってからお兄さんの正体がデュランだったことに気が付くとそのまま抱きつき、デュランをベンチの上へと押し倒した。
するとデュランが痛そうな声を上げたので、慌てて離れた。
「ご、ごめん。だ、大丈夫……デュラン」
「だ、だだ、大丈夫だからそんな顔すんなアリス。アリスを泣かせたことを思えば、こんな痛みはなんてことないから」
「――やっぱりどこか痛むんじゃない! 今すぐ治療するからそこで待ってて!!」
僕はそう言いながら急いでデュランの所へ行こうとしたが、デュランは何故かかなり慌てながら両手を前に突き出して
「……アリス、俺の魂はもうボロボロでさ。闇属性どころか光属性での治療も今はできないんだ、ごめんな」
「どうして、そんな」
僕はデュランの話した内容に
「――竜穴に飛び込んだ後、俺は竜穴を汚染していた
汚染が予想以上に
「それで、どうなったの」
僕がそう聞くとデュランは僕の頭を優しくなでた後、続きを話し始めた。
「これはもう死んだって正直思ったんだが、
天晴に見てもらったらもう魂が傷つきすぎていて魔力を使うのは止めた方がいいと言われてな、この半年間。体が治るまで無人島で暮らしてたんだ」
「……体は治ったの」
「あぁ、ただ無茶しすぎたのか手足がこんな状態でな。こんな姿をアリス達に見せたくなかったから天晴にこのマスクを創ってもらって別人として会いに来たんだ。
……本当にごめんな、騙したような形になって」
デュランはそう言いながら頭を深々と下げていたけど、僕は生きて帰ってきてくれただけで嬉しいとデュランに伝えてから覚悟を決めた。
「デュラン、僕ずっと君に言いたくて、でも言えなかったことがあるんだ」
「うんっ、何を?」
不思議そうにこちらを見ているデュランの方を見ながら僕は全力で叫んだ。
「――デュラン大好き!! 愛してる!!!」
叫んでから僕は赤くなった顔を隠すためにデュランのお腹へ全力で抱きついた。
デュランは目を丸くして少しの間固まった後、笑みを浮べて「俺もだアリス、愛してる」そう言ってから僕を抱きしめた。
――デュラン、おかえりなさい。
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