亡国
男は愛する仲間共に創った国が好きだった。
表通りを歩く者達からは
そうして
スラム街の
一国の王として多種族の者達と関われば関わるほど彼らもただの人間なのだと知り、非道な扱いを受ける彼らのことを見て見ぬふりをすることが出来なくなってしまった。
そして真の意味で誰もが幸せになれる国だと言うのならば、彼らも受け入れるべきなのではないかと思うようになっていった。
……しかし彼らを助けると言うことは、超大国であるアイディール神国を敵に回すことを意味する。
助けるというのならば仲間と共に創り出した国を滅ぼされることになるかも知れないと考えた男は仲間達を集め、自身の覚悟を語ってそれでもついてきてくれるかと問いかけた。
『――お前達!
『『『『『――当たり前だァッ!!!!』』』』』
そうして男の国――ウィンクルム連邦国は多種族と共に
多種族は男の国を最後の楽園と
だが人間という者は
https://kakuyomu.jp/users/kokubyouyamana/news/16817330667299831457
最新鋭の技術を使って創り出された小型の核ミサイルは一発一発が太陽並みのエネルギーを秘めており、男の仲間や国民である多種族と人族を吹き飛ばし。
運良く生き残った者も
『――ウワアアアアアアアアァァァッッッ!!!!!!!!
死ぬなお前達!!!! お願いだから死なないでくれェッ!!!!』
『おう、さま、あり、がと、う……ぼく、たち、を、しあ、わせ、に、して、くれ、て』
『
この日。全ての者達が自身へ口々に感謝をしながら死んでいくのを
国民達の感謝がただアイディール神国を滅ぼすという
男は剣神という真の英雄と出会ってしまい、彼が世界を変えてしまうところを目にしたことでアイディール神国への怒りを抑えられなくなった。
――それ故に今夜、アイディール神国は滅びることになる。
https://kakuyomu.jp/users/kokubyouyamana/news/16817330667299867434
そして男――黒神ナイト・エンペラーはアイディール神国の上空であの日と同じ百発の核ミサイルを現実改編で創り出し、アイディール神国の全国民へ聞こえるように空間を
「――アイディール神国の国民達よ、私はウィンクルム連邦国の王だ!! この百発の核ミサイルが見えるかァッ!!! あの日お前達が私の国であるウィンクルム連邦国に
お前達にも愛するものを奪われる気持ちを味わせるために三十年待った!!!
あの時の私と同じ地獄に苦しむがいい!!!! 死ねエエエエエエエエッッッ!!!!!!」
そんな黒神の言葉を耳にしたアイディール神国の国民は全員が例外なく、あの日のウィンクルム連邦国の国民達のように苦しみもがいて死んでいった。
https://kakuyomu.jp/users/kokubyouyamana/news/16817330667299916129
そして黒神の言葉を宣言通りにしないため大樹ユグドラシルで待機していたデュラン達が
だがかつてアイディール神国の国民だった魔物を従えながらデュラン達を待ち受けていた黒神は、
「来たか、剣神。悪いがもう少しだけ
やっと三十年かけた復讐が終わった所なんだ」
「……お前の叫び声が大樹ユグドラシルまで届いてきた。
その様子だとお前は本当にウィンクルム連邦国の王だったんだな、なんで俺を待っていた」
デュランがそう言うと黒神は笑みを浮べながら「まあ、そう焦るな。すぐにでも話してやるから」と言った後、デュラン達を滅びた国には不釣り合いなほど綺麗なテーブルとイスへと案内した。
デュランは怪しく思いながらも何を企んでいるのか分からなければ対処のしようがないと考え、アリスと共に大人しく座った。
「さて、何から話せばいいか考えるのに時間を使ってもいいのだが。客人相手にそれは失礼だろうからな、結論から話そう。
――私の名前はナイト・エンペラー。このアイディール神国に滅ぼされたウィンクルム連邦国でかつて王をしていただけの、つまらん男だ」
「……ウィンクルム連邦国は百発の小型の核ミサイルで跡形もなく吹き飛んでた。それは旅の途中立ち寄った僕とデュランも見ている。
ナイト・エンペラー、君はどうやって生き残ったんだい?」
そうアリスが言い返すと黒神はその言葉を予想していたのか「簡単な話だ、私も生まれつき。剣神と同じ体質だったのだよ」とつぶやき、それを耳にしたデュランは驚きのあまり固まったしまった。
「もっとも、私の場合は光属性の方に耐性がないのだがね。それとなんで待っていたのかか?
それに関しては簡単な話だよ、私は今の世界はこのままで本当に
だから剣神と闘って見極めようと思うのだ、今の世界は存続するべきなのかをね?」
「……俺にあの時最終目標を教えたのは確実に復讐を遂げるためだったんだな、アイディール神国がそれほど憎かったのか。黒神」
その言葉を聴いた黒神は拳でテーブルを叩き割りながら「当たり前だ! 憎いに決まっているだろう!! 奴らは私から全てを奪ったのだから!!!」と叫んだ。
「……だが、私はお前と――剣神と出会うまで、復讐を
そのために己の憎悪を押さえ込んで戦争のない恒久的な世界平和を創るのだと、彼らの感謝へ
剣神が世界を変えてくれたことで私は復讐に走ることが出来た、感謝する」
「黒神、お前は――」
デュランはその言葉を聴いて何かを言おうとしたが、黒神はもうお
「――私達の
「……俺は世界が滅ぼうが存続しようが正直どうでもいい、だがなッ!! アリスの、いや――俺の大切な者達が愛する世界を壊そうとするのならば!!!
「デュラン、僕が援護するから全力で闘って!!!
こうして決戦の
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