新たなる出会い
「ハァ、ハァ、」
大木の幹にできた穴に身を隠す。
村を出てから2日ほどたった。
村を出てからずっと走り続けていたからか身体中には草による切り傷ができている。
感覚的にはもうすぐ最奥に着くはずなのに、
「グルルルルぅ、!」
チラリと外を見ているとそこには大剣を持った
体長およそ3メートルほど。とてもじゃないが私が勝てるような相手じゃない。冷や汗が頰をつたる。
向こうは様子的にまだ私のことを探しているようだが、おそらく見つかるのも時間の問題だろう。
さて、どうしたものか。
「龍天鎖」
その時だった、どこからともなく声が聞こえた。
何だろうと思いふと顔を外に出してみると、1人の青年とバラバラになった
青年の方は人間にして10代後半くらいだろうか。
なぜ人間がこんなところにと思ったがこんな最奥にいるのだ、人間ではないのだろう。
「お前、何者だ?」
剣先を向けられる。
言葉一つ一つが身がすくむほどの重圧となる。
間違いない、この方こそが、
「わ、私は!
「願い、?」
「どうか、どうか私たちを救ってください!」
———数分前。
今日は、剣術の特訓をしている。
今まで気づかなかったが今の俺には剣が使えるらしい。
レベルアップの時などで聞くあの謎の声曰く、
『個体名アスティアルは、
だそうだ。今まで気づかなかったが俺には龍さんから作られた剣を持っていたらしい。その剣を扱えるようにするため機能はシエルを留守番させ1人で特訓をしている。
剣なんて前世では握ったこともなかったが、自分の肉親である龍さんからできた剣だからか思ったよりも体に馴染む。
また、この剣は普段は亜空間に収納できるらしく荷物にもならない。
「ん?、なんだあれ」
剣の感触を確かめているとすぐそばに
何か探しているような、。
ちょうどいい。初めてする技はあのような狙いやすい的にするのが最適だろう。
俺は深く息を吐くと全身の魔力を剣に注ぎ込んだ。
イメージは、無数の刃で、。
そして地面が割れるほど強く踏み込み言葉トリガーを言う。
「龍天鎖」
俺の剣は豆腐を切るかのように
刀身に付着した血を払い踵を返そうとした時、何やら視線を感じその方向に視線を向けてみると、
そこには
普段は森の浅いとこにしかいない種族がどうしてこんなとこに?もしかして、人間どもの仲間、か?
そう思い質問を投げかける。
「お前、何者だ?」
俺が言葉をかけると目の前のエルフは体を少し震わせる。
反応からして敵意はないのだろう。ではなぜこんなとこに。
「わ、私は!
と思ったら予想外の回答をされた。
「願い、?」
こんな危険なところまで来て俺にお願いだと?
一体全体何をねだるのだろうか。
「どうか、どうか私たちを救ってください!」
その瞬間に理解した。
なるほど、どうやら俺はまた面倒ごとに首を突っ込もうとしているらしい。
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