始まりの終わり
人間と出会ってから一ヶ月ほどたった。
龍が言ったことを守るためあまり出歩いていないせいかあれから全く人間を見ない。
良かったと思うべきか、仲良くしたかったと残念に思うべきか。
そんなことを考えながら今日も狩った魔物を洞窟へと運ぶ。
(今日も大物が手に入ったぞ)
龍は褒めてくれるだろうか、そんなことを考えながら帰路に着いた時、俺は久しく感じてなかったあの感覚を覚えた。
死だ。 死の感覚。
初めて龍と出会った時に感じたあの感覚。
周りを見渡してみると数十メートル先に武装した人間がいる。
もしかして俺を討伐しにきたのだろうか、
すると一際強そうな1人の男の目があった。
刹那、俺は感じた。
(駄目だ、あれには勝てない、、!)
気づいたら魔物を捨てて洞窟に帰っていた。
まだ心臓がうるさい。
自分の反応が、全身の細胞が叫んでいる。
あれと対峙して残るのは自分の死だと。
まだ呼吸の荒い俺を心配して龍が声をかける
(、おい。大丈夫か?)
俺は震えが止まらず首を縦に振ることしかできない。
(、何があったんだ)
俺は震えながらも自分が見た人間について話した。
———数分後。
龍は静かに口を開いた
(いいか?今日は絶対に外に出るな何がなんでもだ)
(どうして?)
(いいか?お前が出会ったのはこの世界で最も強い人間たちだ。しかもこの森に来たということは、おそらく俺たちが狙いだろう。)
(世界最強の人間って?)
(俺たちの敵で人類の守護者そいつの名前は———。)
その瞬間俺には何が起こったのか分からなかった。
わかるのは吹き飛ばされた痛覚と、熱風による熱さ。
(ッ、、! こんな早く来るとは、)
「———。、—————」
(やっぱりか。、まぁこのくらいでは倒れないか)
みると洞窟の入り口に4人、人がいる。
「———、————。」
(いっ、一応強化魔法をかけておきますねっ)
ピンクの髪が特徴的な女が何やら魔法をかけている。
「———、————!」
(いやー、しっかし本当に龍がいるとはな!)
「———。————。」
(全くです。一刻も早く倒さないと)
こいつらは男の方は戦士、女の方は弓士だな、
三人とも戦はなくともわかる。とても、いやかなり強い。
けれども一番やばいのは最初に攻撃を仕掛けてきたあの騎士だ。あれは駄目だ。強すぎて底が見えない。
龍以外に見たことのない強敵相手に冷や汗をかいているとふと龍が俺に話しかける。
(私が時間を作る、その代わりお前はどこか遠くへ逃げろ!)
(でっ、でも!)
(いいから早く!このままだとお前が死ぬぞ!
私があいつらを返り討ちにしてやる、そしてまたお前と暮らそう!)
安心させるような笑みで龍は話しかける。
そんな龍に俺は静かに頷いた。
龍が魔力を溜め始めた。そして、
(くらえ!
7つの頭から魔力が放出された。
「—!」
(くっ、!)
流石の4人もこれは防御に徹するしかなかったようだ。
俺はその隙に洞窟から出て森を駆け抜けた。
無我夢中で何も見えなくなるほど走った。
龍さんとの約束を信じて。
「これが、神獣ナーガの力か、」
あれほどの攻撃を喰らってもなお4人は無傷だった。
そんな事実に思わず龍は戦慄する。
「だが俺は人類の守護者!ここでお前を倒させてもらう!」
剣先を私に向け力強く宣言する勇者
だが私にも守るべきものがあるのだ
「いいだろう!この私神獣ナーガが貴様らのその心意気がとねじ伏せてくれるわ!」
こうして戦いの火蓋が切られた。
自分は負けるだろうと確信しながらも
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