第37話 後悔はしない

朝、起きると、そこは知らない天井だ。


横を見ると、


右に梨沙。

左に玲奈。



「…ああ。やってしまった。しかも…なんの…配慮も出来ず。」



「…んん。起き…ましたか?幸村くん。」


「あ、ああ。おはよう 。」



「~~~~~❤!」

やけにモジモジして、紅い顔でこちらを見てくる。



「…昨日みたいに、キスしたいです。」

「…困ったな。」


…チュ。


「~~~~~~~~❤❤❤!」

…何度、悶えればいいのか。



「あ、ああー。ずるいですぅ!私もおはようのチュウー!」


「んん。…おはよう。 。」


「~~~~~❤!」

やけにモジモジして、紅い顔でこちらを見てくる。

…さっきも違う人間で見た気がする。


…チュ。


「~~~~~~~~❤❤❤!」

…本当に。困ってしまう。



「…しかし、2人に手を出してしまうとは。」


「…私は嬉しいですよ?」

「私は、幸せで死んじゃいそうですぅ~。」



「どう…責任を取ろうか。」


「…真面目。」

「…さすが、幸村くん」



「いや…そうだろう?正直、…その。【準備】が足りなすぎて…途中から、その避妊が無かったろう?」



「…あー。その事か」

「…確かに、大学生ですけど…」




「私、出来たら…産むよ?」

梨沙はあっけらかんとしている。


「いや、待ってくれ。せっかく青春を始め直すのに…そして2人共出来ていたらどうするんだ、結婚は…」



「シングルマザーでもいい。青春は…たしかにそうだけど。学び直しはいつでも出来るよ。もう私、稼ぐことは出来ているわけだし…」


「私も…産みたいです。大好きな幸村くんの子供。…欲しいなぁ。」


「…本気か?」



「…ええ。誰が、何と言っても。」

「…そうですね。…たとえ幸村くんが拒んでも。私は産みたいと思っています。」


2人の意思は固い。



「………。」


「考え込んじゃった、幸村さん」

「ふふ…。こんな時は、そっとしましょうか?」



両側から、俺に抱きついて過ごす2人。



「…俺、決めたよ」


「…はい。」

「…なんでしょうか?」



「稼いで、稼いで稼いで。そして君ら2人を、どちらも幸せする。そう…決めたよ。ここに、絶対の幸せを渡すと、誓おう。」


「うふふ…知っていました。」

「大変だったら、私も稼ぐからねー。」



その後も、非常に盛り上がったようです。









次の日から、怠惰が少し消えた気がする。


授業に出れば、必死で勉強して何かを習得しようとした。

今までは何処か【未来を知っているから大丈夫】とタカを括っていた。




―――――ビジネスに注力する。そう決めたのだ




勉学だけでなく、WEB関連も。


俺は、本気になって力を入れ直した。


片手間で360万を稼いでいた俺は、現状に満足していた。

あまり稼ごうとは思っていなかったが、今は違う。


幸せにしたい人間が、少なくても2人はいる。


目標を、高めだが…月1000万に設定し直した。




父が購入していた株の内、短期的な伸びを期待しての株を売り払う。

50万→1200万円となる。多くは、2006年の中国の経済急成長に伴って増伸した株であったので長期的に保有する気もなかった。






野球ブログは、2006年にWBCがあった為、観覧者が非常に増えていた。

より情報を密に、そして何度も見返せる情報を載せ直した。何せ初めての大会の初代王者になったのだから。今後は隣国と何度も死闘をして…2023年には二刀流でアメリカを倒す。そんな未来が有るのだ。


その期待を十分に込めた内容で、記載を続けていく。

収入は5万→27万程度。


サッカーブログは。2006年にW杯で盛り上がりが見られ、その結果を詳細に記載した。コレは今後の時代でも読み込まれるだろう。今後日本は、海外組が増えて強豪国になっていくという2023年の人間としての見地も込めて記載する。


「日本が強豪国に?」

「…そんな訳あるかよ。」


そんな言葉が飛び交うが、気にせずにビッククラブに移籍が増えていくだろうと予想していく。それは日本が排出する選手の質の向上や【考えるサッカー】の重要性も全世界で理解されていくことだから。


収入は5万→37万。


節約ブログ。

これは佐々木母に譲った。節約情報のマメなupと、おばあちゃんの知恵袋のような

優しい質疑応答。これらが非常に好評で、顧客は増えていった。

今後は動画サービスへの展開も期待して、【売却】という形をとった。


収益は月80万を超え、佐々木母は生活も安定したようだ。

…売却費用はまだ決めかねている。


佐々木母からは「1000万でも買い取れないよ!」と言われ、こちらは100万でいいから買ってくれという。平行線が続いているのだ。


雑記ブログ。

これも売却した。


月に70万以上を稼ぎ出していたのだが、やはりすこし大人な情報を扱いすぎていたことに、大学生という身分を考えると…いささか手に余るような気がしたのだ。


月に70万以上の利益を生むブログは非常に価値が高く、2500万を超えた値で売却された。…本当はもっと高くも売れたのだが、続ける気がない自分としては良い値段となったと思っている。


今後の時代予想のブログ。

これはもう…正解を知っている俺としては最強の情報発信となり得た。


あくまでも。可能性として。

こうなる可能性が高い…。そういった事が尽く的中されるブログが有れば、俺だって見ている。もちろん、時代を変えるような発言は十分に気をつけての発信では有るが…。

収益は月1万→45万。


金融ブログ。

これは未だ見る人は少ない。なんたって2007年では有名なit社長が捕まっただけで株などの注目は未だ高くなかった。もちろん注目もされるが、2008年に大幅に下落するまでは見られないだろう。

収益はほぼない。


検証ブログや企画ブログも正直時代が早すぎる。

海外の有名動画サービスが根付き始めるのが、2010年を少し超えたくらいだ。

それまではメモ程度に使いつつ、読者から有用な企画等を募っていく。

収益はもちろんない。


計27+37+45の109万がブログで毎月、安定して入ってくる。

コレに撮影や個人のpc改造等で200~300万の利益も挙げている。


かなり良い。大学生には十分すぎる。





だが、俺はブログを増やしていきたい。


ブログの何が良いか。


それは一度書いたら、その記事は俺が何をしなくても稼ぎ続けてくれること。


今は、俺が何をしなくても【検索で情報を欲しがる人間】が。

俺に利益を生み出し続ける。


圧倒的に楽なのだ。


俺はある程度働いたら。

きっぱりと仕事を辞めて、家族とのんびり暮らしたい。




だから、その土台となりうるブログや、この先の動画発信を行っていきたい。



今の貯蓄は税金で引かれる部分も合わせると、4500万円。



2008年。北京で五輪が始まる。

中国経済の急成長に伴って、大きな大会が始まるのだ。

これから中国はバブルに入る。


現在手元にあるお金を使って投資を行っていくこととなる。


中国建設会社、中国不動産会社、中国旅行会社をそれぞれ1000万円ずつ購入。


これらは有名な10倍株となり、翌年にはかなり多くの利益を生み出す会社となる。翌年に売り払えば、それぞれが1億程度の目算だ。合計3億。


生活費として1500万も残せば、十分豪勢な生活も出来そうなものだ。

月の収入も非常に高い。



…3億。

前世では、宝くじに当たらないと手元に無いだろう金額。



…どんな生活にしようか。


2人にも相談してみよう。



…住む家でも、先に購入してみようかな。

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