第13話 いじめられっ子と話すよ

メールではあるが、コメント主と話してみた


以下はその全文。

コ:コメント主 自:自分


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コ:まずはご返答ありがとうございます。…お忙しそうなのに。

自:いえいえ。先程もいいましたが本当に最悪の結果になって無くてよかった


コ:…考えました

自:…コメントからその意志を感じました。良ければ状況を教えてもらえませんか?


コ:私は昔から貧困です。シングルマザーの母と二人暮らし。中学3年です。

自:大変ですね。自分の周りにも多いのでお話くらいは聞いています。続きをお願いします。


コ:…はい。小学生まではいじめられることは無く、楽しく過ごせていました。

自:はい。


コ:ですが中学に上がると貧困が強まり入浴頻度が減りました。それによって臭い、汚いと直接・陰口でもどちらでも言われました。

自:辛いですね…


コ:それでもと思っていたのですが…。

自:どうなされました?


コ:男性に…乱暴されました…

自:犯罪じゃないですか!!大丈夫ですか?身体もそうですが…お気持ちは…大丈夫ですか?辛いことを聞き出して本当にすみません。私が嫌であれば友人を呼びますので、すぐに言ってください。


コ:大丈夫です。すみません

自:ダメです!貴方は謝ってはいけない。まずは本当に教えてくれてありがとうございます。この情報は絶対に秘匿させてもらいます。


コ:?ごめんなさい。読めません

自:すみません、ひとく(秘匿)と読みます。必ず秘密にするという意味です。


コ:頭いいんですね。

自:いえ、焦って記載しました。すみません。続き…話せますか?


コ:はい。その男性は母の恋人でその人の前では一生懸命いい子にしていました。それが反抗しないと思われていたのか…

自:許せないですね…


コ:もう自宅にも居場所はないんです…

自:なるほど。学校では悪口を、自宅では母の恋人ですか…


コ:何度か楽に逝ける方法を探しましたが…手首を少し切ったくらいで…勇気がなくなりました…

自:そうですか…。本当に辛かったですね。自宅に居場所が無いということはどこかに今は行っているとかでしょうか?」



コ:はい…。道行く男性に数回声をかけて…家に泊めて貰って…身体を…許しました…

自:そんな…。


コ:こんな自分でも生きていて…いいんでしょうか…

自:貴方は悪いことは何もしていない!そんな自分を苦しめることは…してほしくないです…。例えばですが、友人や私の父と相談し、こちらに来るなどは出来ないでしょうか?そんな男性に身体を許すのはもう止めませんか?」


コ:そんな迷惑はかけたくないです

自:…ッツ!!貴方、良い人じゃないですか!!悪い人間ならそんな事を言いませんよ…!お願いですから、これ以上不幸に成らないように動きませんか?中学3年生であれば来年から働くことも出来ます。PC修理で良ければ私が教えます。環境を変えることを勧めますが…どうでしょうか?」


コ:…私は〇〇市の△△にいます。そこのいっぱい椅子がある所です

自:ありがとうございます。今すぐに友人と向かいます。友人には状況をある程度伝えても宜しいでしょうか?父に車を出してもらうので…そうですね。1時間半から2時間程度で到着すると思われます。

コ:はい。大丈夫です

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最初に父へ状況報告。すぐに臨時休業としてくれた。

佐々木さんの自宅に向かい、すぐに状況を報告。

前回の投稿で自殺を思い止まったが、家出をしている女性と伝え、再度父へ報告し出発となった。


2軒先の県であったがすぐに向かうことが出来、1時間半程度で到着。


約束の場所に行ってみると、大型スーパーの休憩所で大荷物を抱えて座っている背の低い女の子がいた。


「コメント主さんですか?」

「あの…ブログ主さん?」

変な挨拶ではあったが、はじめのコンタクトはしっかりと取れたようであった。


少し会えてホッとした。佐々木さんに必要なものが足りているか確認をお願いするため少し間女性同士で対応してもらうことにした。


「…凄いことになったな、幸村」

父はボソッと呟く。

父親にはこっそり全てを伝えてあり、コメント主さんには虐待での家出と伝えたといってある。大人の意見も欲しいよね。俺も中身大人だけど。


「父さん、伝えたとおりだ。…自宅にいると襲われる。どうしたらいい?」


「んん~。分からん。だがお前は正しい行動をしたと思っとる。親としては誇らしい。大人同士のトラブルになったら任せろ。…今のうちに、法律とか…制度とか…少しくらいは勉強しといてやる。」


父さんなりに力になろうと尽力してくれている。

ありがとう、父さん


「真田くんー。こっちは終わりました~。必要なものも買ってきました」

「コメント主さん。父が車を出してくれています。乗って一先ず移動しませんか?」


「…はい。すみません。あ…えーと。あの…私、【工藤 梨沙】っていいます。」

そういった女の子は深々と頭を下げた。


…やっぱり世界はおかしいよな。

こんな良い子そうな人間が追い詰められる世界なんて…


せめて。せめて自分が手の届く世界だけは幸せにしていきたいものだ。


「んん~。しかし家も狭いしどこに寝泊まりしてもらおうか…」

父親が頭を悩ませていると、俺は応える。


「大丈夫だ、父さん」


「んん?」




「俺、倉庫で寝泊まりしてみたかったんだよね」



「「「うえええ???」」」

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