第10話 安定した稼ぎと機材の購入
今日も今日とて、パソコンを修理していく。
いや。もはや改造だ。
殆ど起動しないHDDをSSDに取り替え、破損パーツを発注し取り付ける。
プログラムが破損している際には再ダウンロード。
それだけで終わらない、謎のサービス精神。
2005年時点で使えそうな、無駄に有能なサイトをまとめ上げ、自分の雑記ブログで記載していく。そのサイトを教えて、問題解決をしていった。
当たり前だが、インターネットが出来てから、どの時代でも困ったら有能なサイトは、本当に需要がある。…2023年でもだ。
このまとめサイトが、非常に人気が出た。
…違う観点からも、PC修理は楽しい。
パソコン修理していると、わかってしまう。
人に観せたくないデータを持っている人が、多いこと多いこと。
18禁の動画をお持ちの顧客には、それを隠す方法やソフトウェアを同包し、家族に隠してその生活が続くように願った。
海外の違法な請求に悩んでいた人は適切な措置を伝えて安心させ、安全に観覧する方法やサイト等を、自分のサイトを広告ついでに教えている。
そうなると簡単だ。
【師匠】と謎の名前をつけられ、仕事を直接依頼してくる顧客が増えてくる。
ウチのお店のブログにも名指しで同様の質問が来るので、父に見つかる前に雑記ブログへ誘導し対応。
ここから、雑記ブログが恐ろしい進化を遂げる。
雑記ブログは、違法と合法を結ぶスレスレのブログと成りました。
広告単価は何故か異常に高くなり、月に10万pVと収益50万を達成した。
ウチのブログの広告から【大人な何か】を買うことで、より充実した生活を送れたと雑記ブログに感謝の意見が来る。
その時代にとっては、最先端の安心自家発電応援ブログとなってしまった。
だって…修理していると、気づいてしまうんだもの。
ガードが甘々なことや、その先で怒られる未来に。
その収益を父親に伝えると、
「ああ、もう50万に行ったのか…本当に凄いな。どんなものを扱っているんだ?」
そりゃぁもう、ちゃんと伝えた。
「有名な動画サービスが始まっているので、それについてでございます。」
「お…おう。なんだ気持ち悪いな。かしこまっちゃって。」
「他にも…野球の日本代表やサッカーの日本代表についてのブログ、節約や投資についてとかでございます。」
「お、おお…そうか。健全なブログで何よりだ。父として嬉しいよ」
息子としては、その言葉が苦しいよ。
「それで相談があります、父さん」
「おお、なんだ?」
「株を始める前に広告用の動画編集可能なパソコン、撮影機材を購入したいです」
「おおー。株より、まずは労働収入と考えてくれたか!父として安心したぞ!」
甘いな、父さんよ。
この先、世間から若干のバッシングを受けることになるユーなtuberになる準備だぞ、これ。受け入れたが運の尽き。この息子は絶対にやり切るぞ?
2005年として一般的なノートpcはHDD60GB、メモリ516MBであった。それが28万円くらい。
それをデスクトップでSSD124GB、メモリ4GBとした。
2023年なら1万円以下で買えそうなものだが、70万円くらいで購入した。
悔しいものだ。
撮影機材も、商品を撮影する…いわゆる【物撮り】を出来る環境を作った。
30万くらいか。合計100万が経費で購入された。
50万のブログ収入は俺の口座に入れてくれたよ。神様だね、お父さん。
これからウチの広告宣伝のモノを始めとして、有用な使用方法が生まれた。
更にこいつの凄いのは、それだけじゃない。
2023年のショート動画でよく見た撮影方法を駆使して、動きのある撮影をネットに投稿。
特に自分の動画サービスブログにて拡散すると、どうやって撮影しているのかメチャクチャ聞かれる。
それを答えず、ウチの店の専用機材での宣伝とだけしている。
需要をコントロール出来るのはデカかった。
すぐにウチには撮影依頼まで舞い込むようになった。
TVも何度か利用するようになり、何度も潜入して方法を探ろうとするも、俺は首を縦には一切振らなかった。
単価を非常に高くして頻度を低くして、商品撮影依頼をこなしていった。
なんと一つの商品で200万程度の撮影費用を受け取る事が出来た。
100万の投資で200万の継続的な収入なら、少ない手持ちでの株運用よりよっぽど有用だな。この会社の売上で経費をいっぱい使えば、節税も出来るしね。
とりあえずパソコンは、4台まで増やしたいな。
動画の編集が、今後の肝に成るからね。
そう考えて、学校生活と稼ぐ生活を両立させていく。
佐々木家はどんどん借金を返済出来ており、すっかり明るくなった。引越は考えていないようで、庭の野菜を楽しみながら過ごしていくそうだ。
真田家は倉庫を購入した。
pcパーツの置く場所として購入し、そこに撮影機材を持ち込むことが出来た。
結果…撮影場所が広がり、より多種の撮影ができるようになった。
そうして2005年の秋まで働くと、俺の純資産は500万を超えた。
それも最新のpcと撮影機材を持ってだ。最高の準備は終えたようだ。
「真田君…そろそろやりたいことがあるって言ってたけど…私も手伝った方が良いんだよね?」
「もちろんだ、佐々木さん。…命を。命を救うぞ。救って仕事も増やしていくんだ。」
「…はへ?」
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