第2話 スキルチェックしたらキャンピングカーが拠点の一つだそうです。
俺の持っているスキルは、【拠点(キャンピングカーアリ)】【危険察知】【鑑定】【空間収納】【剣術10】となっている。
では、この【キャンピングカー】はどうなのか。
鑑定してみると、移動中の拠点のようだ。ガソリンなどの燃料入らず、世界に充満している魔素を燃料に走るらしい。電気エネルギーみたなものだろうか?
また、乗っている間も襲われる心配もなく、壊れる事も無いのだと言う。
コレで雑魚スキルなんてとんでもない!!
寧ろ文字化けしてくれていて助かった!!
続いて【危険察知】は、近くに身の危険を感じる事が出来る能力で、これなら魔物が出たら即キャンピングカーに乗って走り去る事が出来る。
姫島も安全に連れて行けるし問題は無さそうだ。
【鑑定】は言わずもがな、有難いスキルであることは間違いなく、後は【空間収納】だが、異世界転移した者なら誰でも持っているらしく、入れたものは時が停まる為、腐る事も無いのだと言う。
また、生き物を入れたとしても生きることは可能で、暫し眠りにつく程度らしい。
「俺の方は【拠点(キャンピングカーアリ)】【危険察知】【鑑定】【空間収納】【剣術10】……大体こんな感じだな。姫島の方はどうだ?」
「私の方は、【ネットスーパー】【生活魔法9】【料理スキル10】【鑑定】【空間収納】なんですが……」
「最高じゃないか!! 一つずつ鑑定していくと中身が分かりやすいぞ」
「それは試しました。【ネットスーパー】も成長すれば色々商品が増えるみたいなんです。お店が増えるって言う感じでしょうか」
「おおおお」
「【生活魔法9】は主に掃除洗濯を魔法で出来るみたいで、方法は鑑定して覚えました。後【料理スキル10】は私の料理スキルみたいです」
「この数字だが、高いのか低いのか分からないよな。俺の【剣術10】も剣道で培ったものだと思うんだが、敵を倒せるのかどうかも分からないしな」
「そうですね……この世界に詳しい人が欲しいですね」
「そうだな……。取り敢えず俺たちの服装は目立つ。古着屋か何かがある筈だが、そこで服を買おう」
「そうですね。幸い文字は読めるみたいですから問題ないかと」
「よし、行こう」
こうして俺と姫島は城下町を歩きながら古着屋に到着し、お互いこの世界に馴染むような服装を購入して、自分たちが今まで着ていた服は空間収納にしまい込んだ。
姫島は長い髪をポニーテールにして、空色系の旅人風の服装に。
俺は白のシャツとこの世界の紺色のズボンを履いて、靴も買い直して鞄を購入。
出来るだけ大金は持ち歩きたくないので、互いにショルダーバッグも購入し、小さい布袋も二人で購入し、そこに貰ったお金を入れて行く事にした。
こうすれば、一見すれば普通の旅人だ。
「さて、後は情報収集の方法だが……」
「難しいですよね、人を簡単に信用していいのかどうかも解りかねます」
「そうだな、絶対裏切らないような相手となると、奴隷とかになるが……」
「奴隷……ですか?」
「目的が終われば開放してあげると言う手もある」
「それならば……まぁ」
「よし、明日には奴隷市場に行くとして、まずは冒険者ギルドと商人ギルドに行って手続きを行おう」
「そうですね」
こうして二人でまずは冒険者ギルドに入り、初心者ランクからのスタートとなったが、身分証代わりに使う分には問題はない。
また、商人ギルドでも二人して登録を行い、これも一応身分証になるらしい。
二つもいらなかったかもしれないが、備えあれば憂いなしだ。
「で、だが」
「はい」
「俺の拠点も一応調べたい。いざという時はキャンピングカーをどこかに出すから、そこで今日は寝よう」
「そうですね。調べるのは大事かと。ご飯は試しに金貨を入れたら買い物が出来るようになっていたので、簡単なものなら買えると思います」
「別に宿に泊まらなくてもいいならそれに越したことは無いからな」
「お金は大事ですしね」
こうして二人で町の外まで出ると、木が生い茂っている所で自分のステータスボードを表示し、【拠点】と言う文字を押してみると、ボン!と言う音と共に、掘立て小屋のようなボロボロな小屋が出てきた……。
「「あ――……」」
そう、「あ――」しか出てこない。
これは酷い。
そして、これは無い。
「……うん! 俺も頑張ってレベルを上げるか! 冒険者で上げるか商人で上げるかは分からないが!!」
「あの、先生!」
「ん?」
「提案なんですが、これから先私は先生に守られながらじゃないと生きていけないと思うんです。そこで提案なんですが、商売や商人でレベルを上げませんか?」
「ふむ」
「その代わり、私のネットスーパーで交換できる商品を先生にも譲ります。最初の契約料として先生に金貨1枚を頂けたら、その金貨一枚で買えるネットスーパーの商品を選んで、まずは拠点のレベルを上げたらどうでしょう」
「なるほど、確かにそれは名案だが……」
「私にもメリットはあります」
「ほう?」
「私も商売でスキルを上げたいので……」
「役割分担をするという事だな?」
「はい」
確かにそれは名案かもしれない。
女性には女性にしか分からない商品もあるだろうし、男なら男にしか分からない商品の事もある。
その中間はお互い話し合って決める……と言った感じか。
「そうだな、中間の物に関しては話し合いで決めるとして、まずは男性にしか用がない物は俺が。女性にしか用がない物は姫島が売ればいいだろう」
「そうですね、ただ、手っ取り早く拠点レベルを上げたいんですが……」
「うーん……そこは中間アイテムで要相談だな。取り敢えずキャンピングカーを出してみよう」
「はい」
こうして木々が生い茂っている場所に少し開けた場所を見つけたので、そこにステータスボードからキャンピングカーを選択すると、よく見るキャンピングカーが出てきた。
これは運転は俺しか出来ないらしく、誰でも入れるものではないらしい。
俺が了承した人間のみが乗る事が出来るようになっていて、弾かれたものは入れない。
「運転席も中々いいな。長時間運転しても尻が痛くなり難そうだ」
「飲み物ホルダーもついてますし良いですね」
「問題は中だな」
「ドキドキしますね!」
「出来れば一軒家くらいのものになっているのを願いたい!!」
「そうですね!! お風呂は無理でもシャワー室は欲しいです! あとトイレ!」
「それは必須だな! では……開けるぞ!!」
ドキドキしながら俺と姫島はキャンピングカーの中に入るべくドアを開けると――。
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一日三回更新です。
此方は二回目です。
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