第4話 三時間目 本題へと向かう道

免許センターの駐車場は大変賑わっていた。何百台と停められそうな敷地の七割は埋まっているのでは無いのだろうか?

私は過去に市役所で駐車していたおりに、ドアをぶつけられた事があったので、他の車から距離をとって停めるべく、一番奥へと車を進めた。

まぁこれも、冬ならでわの強風による事故を防ぐためではある。

暖かい車から外に出ると、冬の外気が私の頬を刺す。

ゆっくりと歩き出す私の前では、老若男女様々な年齢の人間が大きな建物へ次々飲み込まれていく。

ああ、私もあの中の一人なんだよな…。

そう呟きながら建物に足を踏み入れると、中では案内をされるがままに次々と視力検査、顔写真の撮影と、手続きを済ませていき、ある教室へと通される。

さて、ここからが本格的な刑の執行だな。

時刻は十二時四十分。

後五分後から始まる責め苦に、私は耐えなければならない。

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