第3話 二時間目 なんだこのプレッシャーは…
幾度となく工事現場に遭遇しながら私は車を走らせる。
もちろん制限速度を厳守して……。
なんなら少し遅いかもしれない。
だって、視界の端で白と黒のツートンカラーの車が静かに走行しているのが目に入っているから。
車の屋根には赤いクリアーなライトを載せて、ピカピカと辺りに存在を示している。
私は何も違反をしていないにもかかわらず、肩に力が入るのを感じる。
これから更新に向かっているのに、これ以上の罪を重ねるわけにはいかないのだ。
しかし私という人間は、なぜ悪いことをしていないのにこんなにもびくびくとするのだろうか…。
こんなにも気が小さいなら、あの時標識にも気付けていただろうに…なんて後悔は先にはたたない。
そう言えば免許センターまではあと少し、もしかして最後のダメ出しにカモを狙っているのだろうか?
そんな邪推をしていると目的地が目に入ってきた。
本当はここまで一時間半で来れる筈なのに、時刻は十二時を回っている。
工事と国家権力によるプレッシャー恐るべし!
そんなことを心で唱えつつ、私は免許センターの門をくぐるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます