第3話 二時間目 なんだこのプレッシャーは…

幾度となく工事現場に遭遇しながら私は車を走らせる。

もちろん制限速度を厳守して……。

なんなら少し遅いかもしれない。

だって、視界の端で白と黒のツートンカラーの車が静かに走行しているのが目に入っているから。

車の屋根には赤いクリアーなライトを載せて、ピカピカと辺りに存在を示している。

私は何も違反をしていないにもかかわらず、肩に力が入るのを感じる。

これから更新に向かっているのに、これ以上の罪を重ねるわけにはいかないのだ。

しかし私という人間は、なぜ悪いことをしていないのにこんなにもびくびくとするのだろうか…。

こんなにも気が小さいなら、あの時標識にも気付けていただろうに…なんて後悔は先にはたたない。

そう言えば免許センターまではあと少し、もしかして最後のダメ出しにカモを狙っているのだろうか?

そんな邪推をしていると目的地が目に入ってきた。

本当はここまで一時間半で来れる筈なのに、時刻は十二時を回っている。

工事と国家権力によるプレッシャー恐るべし!

そんなことを心で唱えつつ、私は免許センターの門をくぐるのだった。



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