あたしは白熊亜矢奈です。

合宿

新入生の夏合宿に参加した。

毎日、先輩に教えてもらいながら、マンドリンの特訓をする。

夜、お風呂の時間になり、あたしは、お風呂場の入口付近で、ひとりで、モジモジしてた。

高校の時は、みんなから、女子のように思われていて、女子のほうの更衣室や洗面所を使用していた。

先輩は、モジモジしてるあたしを見て

｢あやなっちは、わたしといっしょに女子のほうのお風呂に入りましょう｣

って言って、あたしの手をにぎって、いっしょに、お風呂に連れていってくれた。

女子も何人か入っていたけど、みんな何も気にしてなくて良かった。

あたしも

サッ

と服を脱いで、先輩といっしょに、お風呂に入った。

先輩と並んでお風呂に入りながら

｢先輩と将来、結婚することになるのかもな～｣

って、あたしは、ひとりで考えていた。

｢先輩も、同じように考えてくれていたりして...そうだといいな～｣

って思った。

｢先輩も、あたしのこと好きなのかな？あたしみたいな子のこと、好きなのかもしれない...あたしも、先輩みたいな優しい人、大好き...結婚してほしい...結婚してください...｣

って、先輩に向かって、お風呂にいっしょに入りながら念じている。

女子みたいな、あたし。