第39話 笑う門には笑顔来る

 昔からある言葉というのは、思っているより芯を食ったものがけっこうあります。

 これまでにも「類は友を呼ぶの法則」や「ものは考えようだから考えよう」とか「好きこそものの上手なれ」というタイトルで書かせていただきましたが、今回は「笑門来福」をもじりました。

 「笑う門には~」という言葉はまさに本質で、すでにそのままの意味で現実の生活に組み込まれています。

 このことを「類は友を呼ぶの法則」と呼んでいます。

 詳しくはそのままのタイトルのお話を読んでいただけるとありがたいのですが、簡単に説明すると、今あなたの思考にあるものと同じものが集まってくる、ということです。

 たとえば、鉄道好きの人の周囲には、鉄道好きの人が集まってきますし、物品的にも集まってきます。自分で集めているということもありますが、結果的には集まってきたと言えます。

 大金持ちの友達は大金持ちですし、そこに貧しい人はまずいません。いたとしても居心地が悪いでしょうし、まず話が合わないはずです。

 そうやって、普段考えていることが、自分に集まってくることを「類は友を呼ぶの法則」と言います。

 日常生活の基本として、脳内はいつもポジティブであることが必須です。人間ですから一から十まで肯定することは難しいですが、それでもなるべく肯定的な思考を維持することが大切です。

 「心」=「魂」で、「魂」=「創造主」ですから、放っておいても心はいつもポジティブです。そもそも心に否定は存在しないので、否定を発することはありません。否定をするのはいつも脳内であり、エゴ、「自分だけのモノサシ」です。

 脳内の思考がポジティブであれば、心は放っておいてもポジティブですから、両者はガッチリ手を組みます。こうなったときの人間の持つ魔法的な力は本当に強くなります。なぜなら、それは「創造主」となっている状態だからです。

 これまでに何度も書いていますが、すべての存在が創造主です。この世に存在するすべては創造主の仮の姿、と言うと分かりやすいでしょうか。第三者的な存在でもなければ、シンボルや偶像があるわけでもありません。そこかしこが創造主の仮の姿です。それはもちろんぼくたち人類も同じです。

 ここでまた、公式を出します。くどくてすみません。

 「創造主」=「魂」=「愛」

 生き物が生きていれば「魂」があるというのは、宗教的なのかオカルト的なのか分かりませんが、多くの人が漠然とでも考えていることだと思います。そして人間として生きているなら「愛」という感情があることも分かっていただけると思います。

 「魂」があって「愛」があるのであれば、それは「創造主」なんです。イコールですから。詳しくは初期のお話をご一読いただければと思います。

 その人の存在がまるっとポジティブであれば、その人は創造主の力を発揮できる状態であり、「引き寄せの法則」なども、ある意味、思うがままに扱えるということになります。もちろんこの世は物理のルールで出来ていますから、それには従うことになりますので、お間違いのないように。タイムラグなどはほとんど起こります。

 自分の人生をある程度でも思ったように創造できれば、相当楽しいものになりますし、楽しい体験が増えれば、振り返ったときの幸せも比例して増えていきます。

 最初に書きましたが、そのために脳内の思考をポジティブにしておく必要があり、できればほとんどの時間をポジティヴな状態で維持できれば素晴らしいです。

 つねに思考がポジティブな状態であれば、意識的に意図をしなくても「類は友を呼ぶの法則」が自然に機能して、ポジティブな体験が集まってきます。それはモノであったりコトであったりしますが、どれにしたって、不都合なことが起こるわけではありませんから、それは幸せな気分を感じることができます。

 ただ「類は友を呼ぶの法則」の場合、意識的に意図をしているわけではないので、自分が望んでいるような体験が起こるかどうかは分かりません。しかし、日々を幸せに過ごせることは間違いありません。

 念のために書いておきますが、「幸せ」とは何事も起きないことです。順調であること、と言ってもいいかもしれません。

 人は幸せをイメージすると、これまでの人生にないような大きな出来事や、体験などを想像します。大金持ちや理想どおりの展開をする人生を想像する人が多いと思いますが、本当の幸せは、自分にとって悪いことが何も起きないことです。つまり普通という状況が順調に続くことこそが幸せなんです。モノはいずれなくなりますし、他人の心は思いどおりにはなりません。出世したとしたとしても、足元をすくわれる恐れが出てくるかもしれませんし、いろんな面でトラブルやアクシデント続きでは、どれだけ他のことが恵まれていても、けっして幸せを感じることはありません。

 なので「幸せ」とは何事も起きない。日常が順調に進んでいくこと、となります。

 「類は友を呼ぶの法則」によるものは、こういった日常的な幸せ、平穏無事を安定させてくれます。

 繰り返しになりますが、思考をポジティブで維持すること。そうすれば心と思考が一本の強力なつながりを持ち、放っておいても順調な人生になる、ということです。その上で、自分の望むことを意図すれば、今度は「引き寄せの法則」が望んだものやコトを引き寄せてくれるようになります。


 さて、思考をポジティブな状態で維持するのは、簡単なことではありません。

 過去の無意識の意図によって創造された種が実をつけて、「今・ここ」における体験として姿を現します。そんな場面でポジティブな思考を維持できるかということです。

 無意識の意図はほとんどの場合、自分が何を意図したのか記憶に残っていません。それが急に「今・ここ」に姿を現すと、恐れを感じたり慌てたりしてしまいます。そうすると、その感じた恐れがまた種となり、いつかの自分の前に実となって姿を現すことになります。恐れを感じることがある以上、ネガティブな体験をするときが必ずやってくるということになり、それはもう堂々巡りです。

 この腐れ縁を断ち切る方法が、「笑う門には福来る」です。福かどうかは人によって違うので、ここでは「類は友呼ぶの法則」に則って、「笑う門には笑顔来る」としています。すくなくとも、笑顔が集まっている状況が不幸ということはないと思いますしね。

 あなたの人生というのは、いつもあなたが主役であり、呼び水になっています。 あなたの考えていること、あなたの行動、あなたの雰囲気などなど、すべてが引き寄せの元になっています。先ほども書きましたがお金持ちの友達はお金持ちという理屈と同じです。

 つねに笑顔を心がけるようにしていれば、あなたのまわりには笑顔の人が集まることになりますし、笑顔になるようなモノやコトが集まります。それはきっと幸せではないかと思います。いつも笑顔でいられるということは、たとえ大きな出来事がなくても、人生を順調に過ごしているという証拠です。

 笑うという行為には、医学的にも自律神経を安定させるとか、免疫効果を上げるなど、いろいろ幸せな報告があります。笑っていて損は何もありません。たとえ作り笑いであっても、脳は笑っていると勘違いして同じような効果を生みだすそうです。

 その上、人生が順調という状態で安定していれば、「引き寄せの法則」によって、自分の望むことを体験するということも、かなり楽にできるはずです。ふと考えただけでも引き寄せられることもありますから、笑っているという行為は、「生きる」という中でもかなり重要度の高い、そのわりには簡単な行為なのではないでしょうか。

 そもそも、笑っているだけで幸せですし、作り笑いでスタートしても、途中でバカらしくなったりして、本当に笑ってしまうことだってあります。

 まずは順調な日常を目指して、今すぐ笑ってみてください。なんだかすこし幸せな気分を味わうことができます。

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