第14話 行商人だそうです
スタンピードを壊滅させた俺たちはその後も順調に旅を続けていた。あのスタンピードのお陰で俺のレベルは大きく上がっていた。
マナミ曰く既にその辺の大人よりも強くなっているそうだ。
名前:テツ・オウガイ
年齢:八歳(数え年年齢)
性別:男
称号:オウガイ子爵
体質:耐性体質
【身体能力】
体力:623
気力:1,890
腕力:534
脚力:487
魔力:1,123
器用:355
【攻・防】
攻撃力:289+35
防御力:278+55
武器:短剣(+35)
防具:革鎧(+55)
【耐性体質】
羞恥無効(カンスト) 魅惑無効(カンスト) 水治癒魔法無効(カンスト) 光治癒魔法無効(カンスト) 熱無効(カンスト) 薬無効(カンスト) 騒音無効(カンスト) 病無効(カンスト) 闇魔法無効(カンスト) 火魔法耐性6 風魔法耐性4 光魔法耐性4 火遁耐性6 水遁耐性9 風遁耐性8 土遁耐性6 雷遁耐性6
【便利箱】
時間停止機能付・容量千立方メートル
【生活魔法】
着火・飲水・微風・土盛・灯火・黒眼鏡・製氷・電気按摩・遮光影・治療・透視・清潔
【初級六属性魔法】
(火・水・風・土・光・闇)
【低級六・五属性魔法・複合魔法】
(火・水・風・土・光・闇)
(氷・雷・影・聖・邪)
【中級六・五属性魔法・複合魔法】
(火・水・風・土・光・闇)
(氷・雷・影・聖・邪)
【上級六・五属性魔法・複合魔法】
(火・水・風・土・光・闇)
(氷・雷・影・聖・邪)
【
初伝・中伝・皆伝・奥伝
レベルが上がっただけで耐性体質には変化が無かったが、魔力は大きくなったので便利箱の容量は大きくなった。
気力も大きく上がった。今の所、気力が上がる事によってどんな恩恵があるのかは詳しく分かっていないけど……
まあ低いよりは良いだろうとあまり気にしない事にした。
で、生活魔法に清潔が増えた。属性は(無)らしい。メリエルに聞いたがそんな生活魔法は聞いた事が無いと言うので、試しに全員に清潔をかけてみたら毎日、寝る前にお願いしますと言われてしまった……
まあ、大して魔力を消費しないからいいけどな。
魔境までこのペースだと六日後ぐらいには到着するという場所に街があったので立ち寄ってみた。
「テツ様、ここは南の最果ての街、【ナースコール】のようです」
ベンが地図を確認してそう教えてくれた。俺たちは一つしかない門を庶民たちと同じように並んで入れるようになるのを待った。
俺たちの番になると門兵が俺の子爵位を知って大慌てになっている。
「も、申し訳ございません! まさか、貴族の方が順番待ちをしているとは知らずに!!」
「ああ、気にしなくていいですよ。急ぐ訳ではないので。それで、入ってもいいですか?」
俺が穏やかにそう言うとホッとした顔をする門兵たち。
「はい、どうぞお入りください!」
そう言われて俺たちは馬車に乗ったまま街に入った。
街はとても賑やかで、見ていて俺の心も踊った。今日はこの街の宿に泊まってみようという話になり、ベンとルチアが商業ギルドに出かけていった。
何故?
「テツ様、商業ギルドで貴族が宿泊しても大丈夫なレベルの宿を確認に行ったのです」
俺の不思議そうな顔をみてメリエルがそう教えてくれたよ。納得。
南の最果ての街とはいえこんなに賑やかなのは、魔境に近いからではなく、ダンジョンが二つも徒歩で三十分ぐらいの場所にあるからだそうだ。
ダンジョンとは何か? 神殿の説明では神々が人々に与えた恩恵だという。
ダンジョン内の魔物たちは倒すとドロップと言って
或いは爪や牙だったり、皮や肉だったり、又は骨だったり、運が良い者ならば銀貨や金貨も落ちていたりするそうだ。
そんなダンジョンへと一攫千金を夢見たトレジャーハンターたちが我こそはとダンジョンに訪れる為にこの街に滞在するそうだ。
人が集まれば物が売れる。それに目をつけた商人たちもまたこの街にやって来ているらしい。そんな訳でこの最果ての街はとても賑わっているのだ。
宿を聞いてきたベンとルチアは御者を買ってでて、馬車をユックリと進ませていく。段々と賑やかだった人々が減っていき、やがてとても静かな通りに並ぶ宿屋にたどり着いた。
「テツ様、本日はこちらの宿屋【木漏れ日亭】にて宿泊いたします。僭越ながら貸切りとさせて頂きました。この後は自由行動を侍女たちにもさせたいと思いますがよろしいでしょうか?」
ベンにそう聞かれたので俺は「勿論、良いよ」と答えておいた。
俺は俺で途中で気になった商品を並べている者を見かけたのでそこに向かう事にした。
宿に着くとママンは疲れたからやすみますというので、俺はママンに
「少し買い物に出かけたいので行ってまいります」
と伝えた。すると、メリエルとカナがお供いたしますというのでお願いしたよ。断っても着いてくるだろうしな。
メリエルとカナと一緒に街に出た俺は気になっていた露店へと向かった。そこに並べられていたのは短刀、長刀、槍、薙刀、忍刀などの懐かしい武器。
「おや、坊っちゃん、これらの武器をお求めですか?」
露店のおっちゃんが短刀をじっくりと見ている俺にそう声をかけてきた。
「うん、不思議な形の武器だなと思って。でも何だか分からないけど僕の手にシックリしそうな気がしたんだ」
と返事をしたら、露店のおっちゃんが説明をしてくれた。
「ほう、見る目がありますね、坊っちゃん。これらは海を隔てた遥か東方にある島国で発達した武器ですよ。斬る事に特化した刀。突きだけでなく、なぎ払い、撫で切る事も出来る槍など素晴らしい武器です」
露店のおっちゃんは
「この刀を鞘から抜いて見させて貰えますか?」
俺は脇差しサイズより少し長いその刀に目をつけていた。俺が指差した刀を露店のおっちゃんは手に取りユックリと鞘から引き抜いた。
刃紋の美しい刀身が
「こちらは刀鍛冶【清史郎】が打ったもので銘が【
凄い刀だ。刀身の長さも六十センチぐらいか。今の俺にちょうど良いな。将来、成長した時の為に長刀も買っておきたいが……
「おじさん、同じ鍛冶師が打った長刀はありますか? あ、その刀は買いますので」
俺がそう聞くと露店のおっちゃんは時宗を鞘におさめ、一本の長刀を手にした。
「こちらが同じく清史郎が打った長刀で、銘を【
おっちゃんはそう言いながら鞘から引き抜いて刀身を俺に見せてくれた。うん、コレが良いな。
「有難う、おじさん。その二振りを買います。幾らになりますか?」
「坊っちゃん、時宗が金貨八枚、破山が金貨十五枚となります」
俺は言われた通りの金額を支払い、二振りの刀を手にした。
「おじさん、有難う。いい買い物が出来たよ。それで、おじさんはいつもここで商売をしてるの?」
そう尋ねたら露店のおっちゃんは笑顔で答えてくれた。
「いいえ、坊っちゃん。私は行商人でして。あちこち出かけては仕入れて気が向いた場所で商売をしているのです」
それを聞いた俺はおっちゃんに言う。
「おじさん、僕はここから更に南に行った魔境の開拓を大王陛下に命ぜられたんだけど、一週間ぐらい後に何か仕入れて来てみてくれないかな? その頃には多少の開拓計画は出来てると思うんだ」
俺の言葉におっちゃんは目をキラーンとさせて返事をした。
「ほほう? 魔境の開拓を…… 分かりました、坊っちゃん。いえ、坊っちゃんは失礼ですな、お名前をお伺いしてもよろしいですかな? 私の名前はカリュウと申します」
「うん、僕の名前はテツ・オウガイだよ。大王陛下から子爵位を賜ってるんだ。よろしくね、カリュウさん」
俺の言葉にカリュウのおっちゃんは、
「子爵様、私の名はどうぞ呼び捨てに。それでは今日より一週間後に開拓に必要だろう商品を仕入れて魔境に向かいましょう。お約束いたします」
そう言ってくれた。
俺はメリエルとカナに俺の用事は終わったから、ママンや宿に残ってるみんなへの土産を買ってから戻ろうと言ってその場を後にした。
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