第27話 鳳凰?!
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蓋に書いてある絵が動き出したのだ。
まるで生きているかの様に、動き出したのだ!
僕は、驚いているのだが、恐怖心は無かった。
不思議な想いでその絵を観ていた。
すると、その鳳凰は、蓋から飛び出してきた!
しかも、絵に描いてある大きさよりも、数倍大きくなった出てきたのだ!
もっと驚いたのは、僕に話かけてきたのだ!
「こんにちは、じゃ無かった。こんばんは!ご主人様。
お呼びになりましたか?」
と、律儀に呼び方を訂正して、挨拶をしてくれた。
しかも、私がその鳳凰の主人みたいだ。
僕は、恐る恐る言ってみた。
「君は、僕を助けてくれるの?」
と、厚かましく聞いてみた。
「当たり前です。私は貴方の家来です。ご主人様、何でもお望みをお聞きします。ただし一回だけです。
私は一回だけしか契約していません。」
と、私の家来と言っておきながら、一回の契約と言っている。
「ごめんなさい。間違えてしまいました」
と、突然謝ってきた。
「何を間違えたのですか?」
と、ちょっと不安になって鳳凰に聞いた。
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「私のご主人様は、貴方では無く、レイ様でした。
御用件も既にお聞きしております。私の背中にお乗り下さい。
背中に乗って頂ければ、私の胎内に入る事が出来ます。」
と、意味が判らないと想ってはいたが、私は指示通りにその言葉に従った。
すると、不思議な事に吸い込まれるように、鳳凰の胎内の中に、
入って行った。
「それでは、ご主人様、出発します。・・・訂正します。
ご主人様はレイ様でした。
今からレイ様の所にお連れします。」
レイ様の所へ連れて行くだと!
また、私はレイの元へ行くのか❓❗️
と、驚きと不安を抱えながら、僕は鳳凰の胎内にいたが、
先程の酒が残っているのか、僕は寝てしまった。
「着きましたよ。いつまで寝てるのですか?
こんなお客様、初めてです。皆さん、私の運転では不安に思うのか、寝る人などいませんよ。地球の人って度胸がいいですね。」
と、褒められたのか、貶されたのか、判らない事を言ってきた。
ただ、聞き捨てのならない言葉を発してきたので尋ねみた。
「みんな、不安に思うって言ったけど、どう言うことですか?」
鳳凰はその質問に少しビックリしたのか、この様に言った。
「私の口からは言えませんが、時々事故をしてしまうのです。
この鳳凰の乗り物はスピードは出るのですが、安全性が低いのです。だから、事故が多いのです。今日、上手く飛べました。」
私の口からは言えないと言いながら、本心を語ってくれた。
「あの〜。事故に遭ったらどうなりますか?」
と、僕は遠慮がちに、不安いっぱいで聞いてみた。
「もちろん、死んでしまいますよ。当然、私も死にますが、私の場合は、不死鳥なので、蘇りますよ。死ぬのはお客様だけです」
と、平然と、何も悪びれる様子も無く答えるその生き物に
私は、恐れを抱いた。
「あそこにレイ様がいます。」と、生き物は、翼で指差す様に伝てくれた。
翼の方向を見ると、チャペルが見える。
レイと結婚する時に、あの教会でしようと約束した場所である。
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