第24話 地球人との違い
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「確かに考え難い事ですが、その星の人達には、その様な事は無いのです。地球人の様に戦争もしないし、殺人もしない。
争いも無い星です。
今回はペスタと云う突然変異の生き物が出現したのは、この星始まって初めて以来の事でした。
だから、大騒ぎになってしまったのです。」
「何で、その星の人達は、そんな事が起こらなかったんだろう?
不思議ね!地球人なんて人間が現れてから、ずうっと争いの歴史だわ。」
と、みどりは冷静に物事を判断し感情込めて言っている。
「この宇宙には、地球人類とは違う生物がいるのは、当然ですね。もしかすると、もう来ているのかも知れませんね。」
と、私が言うと、
みどりは、お猪口に一杯の酒を飲み干した後、
この様に言った。
「その星の武器は、棍棒の様な武器しか無かったんだね。
地球人類は、武器を作ると共に文明が発達してきたわ。その星では、飛び道具も無いのね。
地球では、最初は弓であり次に鉄砲に変わり、
そして現代ではミサイルよ。
原子力だってそうよ。原子力の力を最初に使ったのは、発電では無くて原爆よ。
人類は、武器を開発する事で、文明が進んだのよ。
その星の人達は、本当に幸せだと思うよ。」
と、私には、理解し難い事を言った。
ところで、原爆って何?
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私は、みどりの顔をじっと見つめていた。
その、私の視線に気付いたのか、みどりは
笑顔を見せて、
「しんちゃん、今でもレイさんの事が好きなの?」
「好きです!今すぐにでも会いたいです。
でも、私とは結婚出来ないのです。」
「そうなの。結婚出来ないのは何故なの?」
と、優しく聞いてくる。
お姉さんの様に僕を包むみたいに。
僕は、その時の事を思い出しながら、みどりに話していった。
「それは、・・・・。私の中にある・・・・。」
と、言った時に、またもや涙が滲んで来た。
みどりは、私にハンカチを差し出して来てくれた。
それは、良い香りのする柔らかい布であった。
「それは、レイと結婚して誕生した子供が、
地球人の様に、戦いを好む人間が出て来たならば、
この星の人達にどれだけの影響を及ぼすか判断できないからです。
もしかすると、あのペスタも宇宙人と出来た子供なのかも知れません。要するに、私とレイと結婚したならば、世継ぎを誕生させられない。という事は、国王の血筋を絶えさせてしまうのです」
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