第12話 アインシュタインって誰?

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「それは、ですね。国王がレイにこう云うのです

『レイ、心配したぞ。どこに行っていたんだ?

一晩中、帰って来ないなんて今まで無かった筈だ。

どうしたんだ?』

って、云うのです。 おかしいでしょ?」


「どこがおかしいの?父親なら心配するでっしょ!普通。」


「心配したことでは無くて、レイが居なくなったのは昨日の事と言っているんですよ?

私は、レイと暮らして半月は居たのに?

何で、一日なのか解らない!もしかすると、時間の流れが地球とは違うのかも知れません。」


「なるほど、アインシュタインも言っていたね。時間の長さにそれぞれ違いがあるって。そうかもしれないわ」


と、みどりは、私の知らない事を言った。

もしかして、みどりと云う娘は、賢い人なのかも?

と、私は驚きを懐いた。ところで、アインシュタインって誰?


そんな事はさて置き、私は言葉を続けた。


「レイが国王にこの様に云うのです。『お父様、私はこの星を守る勇者を連れて参りました。この人です。この人は、敵の一人あの

アンドラを一撃で退治しました!』

と、言って レイが私を、国王に紹介したのです。

すると、国王がこう言ったのです。

『アンドラとは、あの強者のあの男か? それを一撃で破ったのか!』 と、感動した様に云うのです。


どうも、私が最初にやっつけた人は、アンドラって強者だったみたいです。」


「あの、釣り針が刺さった人ね。泣いて逃げて行った人ね。」


「そうです、あの人が追っ手のアンドラです。

その様に紹介されて、私は国王に対面したのですが、

国王と言ってもまだ若く見えるのです。

レイの父親だったら、50歳以上と思うのですが、見た目は三十代。レイのお父さんには見えないのです。

これも不思議でした。

だから、私は聞いたのです。初対面なのに、国王のお歳を。

そうしたらですね、何と55歳と云うのです。

55歳には見えない。びっくりでした。」


「こっちが、びっくりよ。よく初対面の人に、年齢を聞けるね?」


と、みどりに言われたが、私もみどりから初対面なのに、私は歳を聞かれている。


「それから、母である皇后を紹介されたのですが、その人も若く見えるのです。まるで三十代です。

どうも、この星はある程度の年齢から、老けないみたいだ!

と、この時に感じました。」


「良いわね。そんな星に生まれたかってわ。私も歳とって

お肌が・・・。まあ、そんな事どうでもいいか。

で、それからどうなったの?」


「それからです。国王が私にですね、言うんですよ。

悩みを打ち明けるのです。会ったばかりなのに。

『今、この星は、ある者の裏切りで戦争状態になっている。

私はこの星の人達を護る使命がある。どうしても護らないと、

ペスタの思い通りにされてしまう』

と、最初から、私には理解出来ない事を云うのですが、

解った事は、今、戦争状態であると云う事は解りました。

そして、その親分がペスタだと。」


「ちゃんと、解っているんじゃない!」








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