第5話 甦る記憶

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「貴方様がその襲われている女性を助けるのですが、その襲っている生き物が、

人間みたいだけど、人間ではないのです。」


「人間で無いだと?だったら、何だ!」


「それがですね。人間に似た宇宙人なのです。

時は、徳川幕府がなくなり、明治の頃です。

貴方のお父様は、徳川側で薩長と戦い、戦死を遂げられました。

でも、その戦い様は勇敢で人々の口にされるほど立派な人でした。」


「そうか、父は立派であったか。で、私はどうした?」


「そうです。貴方の事を言わないといけませんでした。

その宇宙人に襲われた女性を貴方様は助けたのです。

貴方は、釣りに行っていたみたいで、釣竿を持っていました。


貴方はその宇宙人に向かって、竿を目掛けて振り抜いたのです。

すると、針が宇宙人の目に刺さり、宇宙人は泣きながら去っていきました。」


「何と!私は宇宙人を釣り上げたのだな!」

「そうです。貴方様は勇敢にも宇宙人と戦い宇宙人に勝ったのです。

その女は喜びました。でもこの後の話は、私の口からは申せません。

私のおでこに、貴方様のおでこをくっつければ、私にある貴方様の記憶が伝達されるはずです。

さあ、おでこをくっつけましょう。」

と、言いながら男は私の頭を掴み、おでこどうしくっつけあった。


通り行く人達は、今 噂の「おっさんずラブ」の様に思ったのか、

笑いはするものの、咎める人はいなかった。


おでこを合わせた途端、私の記憶が鮮明に戻るのが見えたー

……これは・・・・・!………


おでこを合わせた男は、正気に戻ったのか、先程の横柄な言い方に変わった。


「何で、俺がこんな所にいるんだ!

お前、何で、デコをくっつけているんだ!

キモいぞ、あって行け!」

と、言ってきた。


私は、この様な下人を相手にするほど、落ちぶれてはいない

静かに、男から去って行った。

伝達された不可思議な記憶を持って。




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