第45話 酷使すべき良識
近くにまで来たコッタの
「次は?」
「今日は終わりだよ。ベッドの時間だ」
「コッタ、
彼女は多分『まだ眠くない』と言いたいのだろう。
ピカピカと輝く室内の間接照明が良くないのかもしれない。ここは古典的なロウソクの明りをメイドたち用意させたほうがいいのかもしれないが、もしかしたら……午後の街中をぶらついて
そうだとしたら、私の
このままだと良くない。今のコッタは非常に危険だ。コッタにはさっさと寝室に行ってもらったほうが良さそうだ。
「明日もあるのだよ。コッタ」
私の中にある全良識を
「それに夜は魔物も強くなる。出歩くのは危ない」
「街中に魔物は不在。コッタも熟知」
「危ないやつらは魔物だけとも限らない。ときに人も魔物になる。夜は宿の中で眠るものだよ」
「……」
ディープ・ブルーの青い瞳がすこしの間だけ私のもとで静かにした。
「ルークも睡眠?」
「もちろんだ。私も眠ろう」
「じゃあコッタも睡眠」
ぐずらないと、それはそれでどこか
幼女はお
「カトレアかラビィか、どちらでもいいのだが、コッタを寝かしつけて欲しい。童話かなにか聞かせてやってくれると助かるのだが」
「はい。準備はできております」
黒髪のメイドが背中のほうからサッと一冊の本を取り出した。できるメイドだ。どこに隠し持ってたのかは気になるところだが、あとは二人を見送ろう。
「それではお嬢様。寝室に参りましょう」
黒髪のメイドに連れて行かれそうになるコッタは、私に向けてもう一度問うた。
「ルークは?」
「私はこちらの部屋で眠るよ」
「ルークも
そうしたいのは
コチラの
「部屋だけは別で眠るものなんだよ。コッタ」
「ふーん」
利便性の高い返事を残して、コッタはあっさりと引き下がった。幼女とは、つまりはそのようなものだ。
いいではないか。さっぱりとしていて。
「さあ」と
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