第43話 ルーザーズ・サイド
『どうして、わたしにだけそんなに冷たいんですか。ユリスが
「
『だったらわたしも協力します!』
「お前はコッタに近づくな。お前はあくまで
『なんでもかんでも
「
『信用しないのはユリスの問題です!』
「その
『昔のことばかり。ユリスはいつもそうなんです!」
「話の
『誤解じゃありません! そんなだから小さい女の子ばかりに目を向けて、自分を
違う。それは幼女への
「ならば問うてやる。お前はなぜ、私が〝最初に発見した時〟から復活を始めなかった?」
『……』
ハジュの石像をダンジョンで発見して持ち帰ったのは、私が22歳のときの出来事だ。この時点から再生が開始されていたら、ハジュは私が25歳のときには復活できていた。
「かつての私のパーティーが
『……』
「
あと
『そんなのウジウジです! いつまでも引きずって! そういうのって最高にダサいです!』
ハジュは私が昔のことを
たとえどんなに言い争いをしていても、その
過去の事実が今の私を苦しめることなど何一つない。そんな
……。……。……。
これだけは逆か……。コッタの存在が今の私を支えている……。
私は前を向くことが
「認めよう。私はダサくていい。だがハジュよ。私はまだお前の答えを聞いていない。言ってみろ」
『そ、それはっ……』
「答えろ。なぜ、私が冒険者を引退してから復活した?」
『……』
答えられないのは
〝それ〟に気付かない私ではない。
お前がすべて
「
『ッ……!』
「お前に語るための言葉がないのなら、私が語る言葉などどこにもない。これ以上は無駄だ。もうお前の
ハジュは
『わたしの……〝見ため〟だって……』
「見ためだけを問題視しているのではない」
『小さくなってまで
「すべてを
『わたしの見ためだってまだ8歳なのにッッッ!!!』
「ロリ・バアアはロリではなくババアだ!!!! その
『ッッッッッ!!!!!』
私の怒声が室内をわずかに揺らして、ハジュの
ハジュはくしゃりと
『どうして……わたしも……〝小さい〟のに……』
体で解決できる問題ではない。私は本気だ。本気のロリコンだ。まず人型幻獣がロリを気取ること許さない。そして何年も生きた存在がロリを気取ることも許さない。それは〝大きな〟間違いだ。
そして私に議論のすり
コッタと並び立とうとするのではなく、下位に立つことがお前の希望を
「出て行け……」
『ここがわたしのお
ハジュが右手を
黒い霧は服を這いながら上に向けて登りだし、私の全体を包もうとしているが、手では払うことができない。
小規模な爆裂魔法を使ってみたが粘着質はここでも極まっている。吹き飛ばすことができない。
「出て行けと言っているッ!」
『行きません……』
もはや私の言葉など聞いていない様子だ。ハジュの言葉は冷気と共にあり、ここまで追い詰めたのに、私だけが
「Sクラスの冒険者は私以外にもいる!! 〝
『そんなの知りません……。もう最強以外の弱者とは……一緒に戦いたくないんです……』
ハジュが
……。次の瞬間、私の
現実の世界に戻ってきている……。
幼女以外と
ハジュにはブラフで通したものの、正直な話、私は記憶の封印などと言ういかがわしい術を、自分に対して使いたくなかった。この術はボロが出そうなくらい試験回数が足りていない。特に使用術者が自分を対象にして発動したときのサンプルがない。
頭の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます