第39話 ハジュのお部屋
コッタといるときに
追い出しておくべきだ。
コッタが側にいる今、ハジュは近くに置いていい存在ではない。あいつには
私は目をつむると、瞳を閉ざすことで得られる暗闇を利用して、自身の体の全体をイメージとして作り上げた。そしてその架空の体を使って頭の中にある違和感の部分に手を
あくまでイメージであるから現実的な
気が付いたときには、
意識が飛ばされたのか。別世界なのか……。〝ここ〟は昼間、ハジュと合間見えた場所と同じに見える。手足の感覚は、もはや先のほどのイメージとは異なり、完全に自意識のもとにあった。別世界へ移動した、と
真相は不明だ。
湿疹は幻獣の特殊能力と推察される。いわゆる〝転移の技法〟に近い技だ。そう考えるのが普通だと思うのだが、もしかしたら私は出入り口らしき場所を無理やり通過してきたのかもしれない。
私の肉体感覚は常人なばれしている。普通の人ならば気が付けない温度や痛みや風の流れ、重たいものをもったときに使われている筋肉の量、そういった細かい変化に気がつくことができる。頭の中の
ここが簡単に辿りついてはいけない場所である気配から、私はそのように考えた。
あまりに周囲が暗いので、私は自分の斜め後ろに魔法で小さな
――ハジュのお部屋――
ふざけてるのか?
魔法で作った光が、意味不明の
光が照らし出したものは
いつの間にこんなものを作ったんだ? これが湿疹の原因なのか……。
いや、この際湿疹の原因などどうでもいいことだ。立て札に書いてあることが正しければ、大元の原因が〝奥〟にいることになる。
扉は
私は扉のほうに進んだ。
ガゥン! と。
相当な音が反響したのだが、扉は予想以上に
私は扉の内側に踏み込んだ。
それなりに
『な、なんですかッ!?』
ハジュは
まずは放っておく。私は引き続き部屋の中を
家具はすべてどこかにエレガンスな曲線美をもっている。ソファはその
フリンジやタッセルなど乙女チックな装飾も多かった。〝
そんな室内の左方の
クラウス・ソラス。エクスカバリエ。デュランDL。
これらの武器は、確かに装備者の意志に答えることがあるのだが、私の不意をつくような形式では機能しない。
むしろそれらの武器は惨劇の中にあった。少女趣味の部屋の風景にべっとりと
コヤツは
ハジュの奇妙な声音が私の元に届いた。空間の特殊性だろう。
『どうやってここに来たんですかッ!』
まるでこちらが非常識な人間であるかのような
早急にハジュを排除する。2時間後にコッタは風呂からあがるのだ。
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