第33話 街路と店と ①
中には以前のコッタが身に付けていたものが入っているのだろう。袋は二枚あって、その内の一方には小さな
ただ私の
出来事の連続でコッタはすでに疲れてるかもしれない。
見た目はフルにチャージされているのだが……。
いやいや……。偏見はよくない。心の疲労はまったくの
「コッタは疲れてはいないだろうか?」
「コッタは
つまりは〝まだ元気だ〟という解釈でいいのだろうか?
なにか腹に
金髪のメイドが、
私の
私は金髪のメイドを見習ってみた。
「じゃあコッタちゃん、行こうか?」
「……」
コッタはバチリとコチラを見返して固まった。それだけでなく、彼女の足元から頭の頂点まで順番に鳥肌がつたっていったような……。
「ちゃんは
「そ、そうみたいだな……」
「では向かうとしよう」
「うん」
私たちは外出にむけて動き出した。
昼食の時間が近づいていたので、メイドからホテルのレストランを利用した食事を
私はコッタを連れて宿のエントランスをくぐった。すぐ目の前は
外壁のほとんどは明るい
アクセントは
「
「そうとも言うかもしれないな。買い物と、昼ご飯を食べに行こうと思うんだが、先にどちらに行きたいとかあるだろうか?」
「どっちでも
気の毒に感じられるくらいの
196センチと――わりと常人ばなれした
私とて目元を
「あっちに行こう。メインス・トリートのほうだ」
「めいんすとりーと?」
私は街の説明をいくらかコッタに伝えながら、宿場区画の大通りを抜けて、メイン・ストリートに出た。メイン・ストリートから中央広場を
この街に到着した直後の私たちは、ときどき通行人から
彼らはボレロやマント。チェニックやズボン。
商業区には様々な店がそろっていて、そのほとんど
服に野菜に、パンに
コッタは途中から私のズボンの端っこをつまんで――というのも彼女からしたら握っているのだが――クルクルとあたりを見渡していた。
私は緊張して手をつなぎそびれて、結果としての紳士的対応となっていたのだが、コッタにとって〝ここ〟が怖い場所になっていないか心配になった。
だが今の時代、街中を大人と歩くことは幼女とて習得しておくべきことだ。
「平気だろうか?」
「なにが?」
「こう……歩くのとか? 緊張していないだろうか?」
「うん」
コッタの視界はすぐに町のほうに戻ったのだが、その小さな手は私のズボンについたままだった。これが今の彼女のやりかたなのだろうか? 彼女の身長からしたら、真横にあるズボンの位置のほうが、私の手よりも
私は身長を自在に操れる魔法がほしくなったりもしたが、いくつもの自説を何度も組み変えているうちに、自分は自分のままで良い、という気がしてきた。そして〝子供から教えられることは多い〟という教育学の
私が注意してそっと
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