第18話 半分目蓋は幼女の初期装備であるのだろうか ②
その結果、種族間で長らく
街に入ったコッタは興味深そうに、しかしながら冷静な
改良を重ねて
私はなるべくゆっくりとした歩調をとって、街の〝
その間にコッタの
このまま街中をぶらりとする観光に向うことで得られる経験値も捨てがたいのだが、私としてはまずは宿を押さえ、そこでコッタに〝
けれども〝
私は自分が
このミッションに
つまるところ風呂だ。そして水洗便所だ。
衛生観念という常識を支える奇跡の
しかしながらそれら設備から
誰が教えるのか。
私ではない。繰り返すが私ではない。引力に吸い寄せられているが、私は何度でもロリコンだと自重する。私にはすでに罪がある。メガネをかけた常識人が出てくるまでもなく、私は許されていない。天地がひっくり返っても私がコッタの素肌を必要以上に見る事は許されていない。
私以外では誰か? 答えは簡単だ。宿屋のメイドである。
もとを正せば私の出身地も
コッタに水洗便所と風呂の使い方を、そばについて実技指導をもって教える常識的な大人の女性。それが私の求める協力者の姿だ。この役目を
宿に向かえば衛生観念を支える設備と、その使用方法をコッタに伝授する客室メイドを同時に
コッタにとっての最初のステップは、これから
ついでに庶民程度の生活様式もいくらか身に付けてもらいたい。けれども一度に詰め込むと難しいことになるかもしれない。だからまずは風呂とトイレ。コッタには、まずこの山場を乗り越えてもらいたい。
小さな体はときに利点になる。人になにかを教わるには
彼女の背はまだ低いが、将来性の高さは
私とコッタは、ここ大都会リーゲンハイムにおいて、最高ランクに分類される宿屋の前に到着した。建物全体は
――ホテル・コストリントン――
施設名を表す文字は、
ポールだけ金属性になっている木製の回転ドアの前で、私は一時的に停止してから、コッタに〝行けるかどうか〟聞いてみた。
「ちょっとずつ押して入る扉だ。私はすぐ後に続こう。行けるだろうか?」
「……」
丁度私たちを追い越して回転ドアを颯爽と通りすぎた
一度は
「うん」
勝手に回り続けるタイプの回転ドアではない。コッタはドア・ボーイを横切って、自分にバリアを張っているかのように両手でガラス面をそっと押しながら前へと進んだ。
ここでの私は
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