第7話 隠居生活の終焉
幼女の観察と下等なデッサンの
ハジュはしつこく私の
近くにいる以外に、私がハジュと特別なにかをすることはなかった。
ハジュは何も食べないし何も飲まない。ひがな一日、
一部の行動は交戦時能力の高さをアピールしていたかのようだったが、反動で尻餅をついていた。
夜になると、ハジュはベッドかソファで眠っていた。私は残されたスペースのほうで眠った。すなわち、私の日常的な寝床はソファになっていた。
「ユリス、冒険に行かないのですか?」
「行くわけがない」
「じゃあ明日も幼女の観察ですか」
「なにが悪い。私は誰にも迷惑をかけてない」
「そうでしょうか?」
「……」
「……」
「黙っていろ」
「……」
ハジュは人の形をしているが、おそらく〝
幻獣ならば人間の世界と幻獣のための世界を自由に行き来できる。ハジュはときどき
人には触れることができない世界――――
そこは人間の世界から完全に
ハジュには帰れる場所があるのだ。しかしながらよくよく思い出してみれば、ハジュは〝帰る場所がない〟とは一言も口にしていなかった。
つまりこの頃の私は、ともすれば幻獣の気まぐれにつき合わされていた――――ということにもなり
解散からはや5年の月日が経過し、私は35歳になっていた。
だがこんな森の中の生活も終わりを迎える日が来る。
それはハジュのような
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