37.あたしたちの戦いはこれからだ!
その
「ゆ、
「死んだよ。もー、きっちりしっかり死んじゃったよ! あたし初めてだって言ったのに、
これ見よがしに
「みんな、原子核からバラバラで、
ミクロに拡散した無数の
それから満面の笑顔になって、
「でも、
「あ、あああ、あの、その、ええと……」
この
そのまま
「存在確率が薄いから、こうなっちゃうのはしょうがないの。幽霊よりはマシ、くらいかな」
「がんばれば、もうちょっとくらいの感触は出せるけど、
足取りを一歩、二歩と
「だけど、みんな重なってるよ。ここらへんの宇宙の、どこにでも隠れてる」
「よ……」
言葉がふるえて、ほんの少しなのに、つなげるのに苦労した。
「よかっ……」
「
「あたしたち、しつこいよ! じっくり、ゆっくり再構築して、また暴れてやるんだから……ちょっと勝ったからって油断してると、危ないぞ!」
そのまま、もう
「……わたくしたちの戦いはこれからです、ということですね」
********************
同じ時刻、太平洋の海岸線と、ぎりぎり関東の山並みをのぞむ地方工業都市だった
半壊した校舎の屋上で、白い
「そーんなこと言ってるけどさ、リーダーさまの
『うっさい!
「まあ、幽霊よりはマシな程度だし? 炭素結合と水素結合の高分子で、プリプリのムッチムチを再構築するには、まだまだかかりそうだけどねー」
『
「言ってませーん」
総合病院にいる
「んー、それじゃあさ。今はちょっと限定的だけど、
『本当に限定的だよね。聞かないと共有できないの? あたし今、有機生命体ってわけでもないんだけど』
「それこそ
とりあえず、秒で論破する
「まず、
『早っ! まず、が早いよ! さっきの、また暴れる宣言もガン無視じゃん!』
「いいから、いいから。で、産む時に脳とか
『……おお。危なそうになってきた』
「女の子を二人か、それ以上にはがんばってもらってさ。みんな倍々で増やしていけば、三十七世代おおよそ一〇〇〇年で、一〇〇億人の
『なし、じゃないね』
「でしょー?」
悪い顔で、誰もいない空間にガッツポーズをして見せる。なかなか遠大な地球侵略の、
「のんびり行こうよ。時間勝負は、無機生命体の
無数の赤い
そして
〜 宇宙が堕ちてくる日、遠く彼方の君に、逢いに行く 完 〜
or
- At the day of universe falling down, to the far away for you darling dear - 完
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます