エピローグでプロローグ
36.わたくしには思われます
損害の規模は、世界的に見ても間違いなく最大だったが、全地球レベルで天変地異が多発したことから、相対的に目立たなかった。
どこもかしこも同じ状況なので、市内すべてを対象とした立入禁止指定も、なあなあになっていた。
政府と自衛隊、警察と消防隊、救急隊、どこからどこまでが被災者か支援者なのかわからない献身的なボランティア団体に、超法規的な現場主義による在日米軍の協力も加わって、どこで誰を
誰もが奇跡的な生存者であり、社会を動かす当事者であり、世界を継続させる責任者だった。
いつかと同じ、
「ねえ、
「
時の
「どうして、あんな……まるで、自分から……」
相変わらず、
同類を、同類でないような他人顔で見ながら、
「その答えは……
「俺が?」
「
「い、言ったっけ? そんな、ストレートに恥ずかしいこと」
「一言一句を整えれば、ごめんなさい、俺、もう他に好きな人がいるんです、とおっしゃいました」
「
折られた話の腰も正面突破した
「わたくしは言いました。そんな肉欲混じりの
「……わからないよ。どういうことかな?」
「
「たかが知れたそんなものに、肉欲、
「進化の、特性……地球人類の……?」
「彼らはまさに、彼らの進化の終着点で、競合種たる地球人類の存在価値を理解した……
信じる人の心、精神が神の形を構築するのなら、宇宙ができた時からずっと
「彼らにとって、おそらくは、神と地球人類は同義。
声は、祈りに似ていた。同じ響きが、
「うん……俺も、そう思いたいな。ありがとう、
「ちょっと違ーう! そんなんじゃ、
響きも空気も
危うげに重なる山の頂上へ腰かけて、
「え……え? ええ、と……?」
「
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