35.愛してくれなくても
赤い星空を塗り替えた。残っていたすべての
軌跡が、閃きの無数の線が、まだ輝いている。
輝く軌跡が収束する。
そして幾何学的な仮面の両眼から、そこだけ赤い
『
「やれやれ、
「超光速で、おっ待たせーっ!」
「
全長が十万キロメートルを上回る文字通り
流体金属のように無数無限、無尽蔵に流れる
動きを縛った目標に、真紅の
そして
サーガンディオン=
「
「辛くて悲しい君も、どうしようもなく怒ってる君も、全部を受け止める! 君が信じてくれた俺になる!」
「『
「
「『
瞬間、完全同時の逆位相、
空間そのもの、折り畳まれた多重次元の振動が双方向に
天体の運動も、地球の崩壊も、月の
静止した二人の宇宙で、サーガンディオンの、
二人だけがそれを認識して、そこにいた。
「『神さま。あなたが、愛してくれなくても……』」
「『それでも、あたしたちは……生きたかったよ』」
広がり、満たして、収束して消える。そしてまた、宇宙が動き出す。
********************
宇宙規模の
月は異常な外力から切り離されて、衛星運動の遠心力で、本来の軌道に戻って行った。消費した質量もあるが、大きな影響にはならなかった。
宇宙から襲来した無機生命体の
地球と人類、地球の有機生命体は、絶滅の危機を乗り越えて、生き延びた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます