28.ぼくの領域だよ!
すべての
その光が収束して、宇宙の黒に放射の光線を描く。一つ一つは小さく半透明な
「俺たちは、全知全能の神ってやつにつながる存在でな。そう考えれば、おまえたちと似たようなものかも知れないが……」
竜の右眼の
「だからこそ、この程度の演算処理で遅れると思うなよ!」
遠く近く、厚く重なる
全身から
自らを中心とした広域戦闘はパルバトレスの本領だ。どんなに数が増えようと、最終的に近接突撃するだけが能なら、相手にならない。真空の宇宙空間では、音波振動を破壊力にすることもできない。
「神にケンカを売ったんだ。それくらいは、期待させてもらう……」
「……っ!」
演算処理に狂いはない。狂っているのは、入力信号だ。
可視光が曲がっていた。電磁波も、質量が持つナノ
いや、違う。自らの一部が蒸発するガスをも推進力に、
それを
見えていても、見えている座標に存在しない。そこにあるものが、そこにない。同じ宇宙にいながら三次元が異なる、異次元存在の連続ハニカム
夢幻のように連鎖した六角の頂点で、光がゆがむ。
波動性の
「
再び、四方八方でビーム照射が発生する。襲いくる不可視の
それでも到達したビーム照射を、
「改めて言ってやる。上等だ、
パルバトレスの右眼に、
********************
地球を軸に、サーガンディオンとパルバトレスを両極とした天球の、いわば赤道の軌跡を、
壮麗な
周回半径を広げながら、
「なにやってんのさ、あのウスラでっかちは? まったくもう!」
上下左右が変転し続ける空間機動に、絶対座標の演算処理を並列して、パルバトレスの方位を見下ろした。そこには
「世話が、焼けるったら……」
軌跡を曲げようとした
「な……ッ?」
相対の前方に、
まったくの
衝突の軌跡にはわずかに不足したが、とんでもなく原始的に、
「生意気してくれちゃって……おもしろいじゃんかッ!」
アルスマギウスが五対の翼を打ちふるう。
「スピードは、ぼくの領域だよ! 身のほどってやつを、教えてやる!」
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