19.ちゃんとわかってた
スカートから伸びる両脚の、
「地球にきて、最初に有機生命体に同化しちゃった時は、まあ、偶然の失敗だったと思うんだ。でもね、それから死んで、他の有機生命体にもなって、生きてまた死んで、ずっと繰り返して……いろんな感情を、宇宙のみんなと一緒に覚えたんだ。ほら、クラウドのアカウントにデータ上げて、そこからシェアする、みたいな?」
「だから……自分がなにをしたいのか、その頃には、わかってた。女の子をどうすればいいのか、ちゃんとわかってた」
自分と、女の子、
「侵食、感染したら、もうこっちのものなんだけど、あんまり急ぐと死んじゃうからさ。有機生命体のままで
「元の女の子は残ってないけど……家族も他のみんなも、あたしを
一歩、近づくことができなかったし、
それに満足したように、
「本当は、こんな面倒くさいことしないで、同じ無機質の
「……なん、で……」
出てきた声はかすれていて、あまり意味のない一言だった。
「にぶいなあ、
二歩、三歩と離れて、登ってきた非常階段に片足を降ろす。
吹き上げられるように、市街の二十を超える箇所で、小さな赤い光が
空気を
市街から何本も、竜巻のような
直後に
赤い光の数、二十を超える
その中で一番、近い位置の個体を背中で見たように、
「他のみんなにも、もう声をかけてるんだ。すぐに宇宙の全体から、ここに集まってきてくれるよ……この
「だから……その前に、デートしたいな」
「待って、
「もっちろーん! おめかしして、お
サーガンディオンの
「ホント、待ってるんだからね! 大事なことなので、二回言いました! 涙なんて、もうないけど、きてくれなかったら泣いちゃうふりくらいできるかも!」
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